僕たちは、王城の玄関に移動して馬車に乗り込んでボス伯爵家に向かいます。
結局王城でボス伯爵を捕まえた時にスラちゃん以外は何もしなかったので、意外と体力回復ができました。
スラちゃんも、アイテムボックスに入れていたお菓子などをたくさん食べて体力回復をしていました。
ガシャンガシャン!
「おい、今すぐ門を開けろ!」
「誰が開けるもんか!」
ボス伯爵家の屋敷に着くと、押し問答が繰り返されている光景が広がっていました。
屋敷の入り口にある門は固く閉ざされ、先発した兵がボス伯爵家の護衛と揉み合いになっています。
でも、こんなところで時間をかける訳には行きません。
すぐさま、馬車から降りたヘンリーさんがボス伯爵家の護衛に命令しました。
「王国第二王子、ヘンリーだ。玉座の間で発生した、ボス伯爵による国王陛下殺害未遂事件の強制捜査を行う。今すぐ門を開けるのだ!」
「「「えっ、殺害未遂事件!?」」」
自分の主人がとんでもない事件を起こしたと知って、ボス伯爵家の護衛は何がなんだか分からなくなっていました。
その隙にスラちゃんが得意技の鍵開けをして門の鍵を開けちゃったのだけど、ボス伯爵家の護衛はポカーンとしちゃって僕たちを止めませんでした。
そのまま屋敷に向かい、またまたスラちゃんの鍵開けで玄関の扉を開けました。
ガチャ。
「な、な、なんざますか!」
ちょうど玄関ホールにボス伯爵夫人らしき中年の女性がいて、突然屋敷の中に入ってきた僕たちのことをかなり驚いた表情で指さしていた。
念の為に鑑定魔法を使ってもボス伯爵夫人と表示されたけど、どうして問題のある人はとても太っている人が多いのだろうか。
そして、豪華な装飾品をジャラジャラと身につけていて、更に鼻が曲がりそうな程の香水の臭いが辺り一面に漂っていた。
そんな中、ヘンリーさんがビシッと捜査令状をボス伯爵夫人に突きつけた。
「王国第二王子ヘンリーだ。ボス伯爵を、王国国王陛下殺害未遂の現行犯で捕縛した。これより、反逆罪の強制捜査を開始する。家人は、速やかに応接室に行くように」
「はっ?」
ヘンリーさんの宣言を聞いたボス伯爵夫人は、何がなんだか分からないのかポカーンとしちゃいました。
しかし、直ぐにボス伯爵夫人は態度を豹変させたのです。
なんと、どこからか取り出したナイフを手にして僕たちに歩み寄ってきました。
ドスドスドス。
「ふ、ふざけるなざます! ボス伯爵家は、国の頂点に立つざます! 王家の指示など聞かないざます!」
なんというか、魔物がノシノシと僕たちに歩み寄って来る感じですね。
でも、かなり太っている為なのかボス伯爵夫人の動きがとても遅いので、僕たちは思わず呆れちゃいました。
そして、すぐさまシンシアさんがボス伯爵夫人に向けて拘束魔法を放ちました。
シュイン、バシッ!
「ふう、取り敢えず私たちに対する殺人未遂の現行犯ね。国家反逆罪に関わる話もしていたけど、それはおいおい聞きましょうか」
「離すザマス! 今すぐ魔法を解くザマス!」
ジタバタとボス伯爵夫人が床に転がっているけど、勿論シンシアさんが魔法を解くはずがありません。
その間に、ボス伯爵夫人は縄で拘束されてたくさんの兵によって連行されていきました。
前にも似たようなことを見たけど、何で悪いことをする貴族は無駄な悪あがきをするのだろうね。
「香水の臭いがキツイわね……換気するから、玄関ドアは開けっ放しにしてね」
シュイン、ヒュー!
シンシアさんが風魔法で屋敷内の空気を強制換気していたけど、それだけボス伯爵夫人の香水の臭いが凄かったんだよね。
ナンシーさんとエミリーさんも思わず顔をしかめていたし、鼻のいいクロちゃんとギンちゃんにとっては毒ガスだったみたいです。
さてさて、気を取り直して手分けして屋敷内を捜索します。
最初は執務室に向かうのだけど、またもや鍵が掛かっていたのでスラちゃんがササッと鍵開けを行います。
ガチャ。
「誰もいないわね……」
執務室の中には誰もおらず、執務机と本棚が置かれているだけでした。
ナンシーさんも不思議に思っていたけど、本当にがらーんとしていました。
しかし、直ぐにクロちゃんとギンちゃんがスラちゃんとシアちゃんと共にたくさんの書類を見つけていきました。
そして、邪神教関連の犯行を裏付ける決定的な証拠書類を見つけました。
「オオボス侯爵家からの、邪神教に関する指示書だ。ボス伯爵は、元々オオボス侯爵家から婿に入っている。オオボス侯爵家が邪神教の黒幕の一人だと予想していたが、これでボス伯爵家とオオボス侯爵家の邪神教関連の捜査を行える」
オオボス侯爵家からボス伯爵家に指示が行って、そこから貴族家や犯罪組織へ様々なアプローチが行われたみたいです。
となると、このオオボス侯爵家をどうにかできれば、邪神教関連の事件は一息つきそうです。
「オオボス侯爵家は、王都から遠く離れた地方にある。先ずはきっちりと体勢を整えてから向かわないと、逆に我々が撃退される可能性がある。特に、ナオ君はかなりの魔力を消費している」
ヘンリーさんは、焦りは禁物だと僕たちに言ってきました。
邪神教に関わる貴族なので、僕とスラちゃんの浄化魔法が必要になる可能性がとても高かった。
僕も、今の状態だと少し魔力が厳しいです。
でも、今の状態でもやることはたくさんあります。
先ずはボス伯爵家の捜索をして、それからオオボス侯爵家の王都屋敷を捜索することになりました。
結局王城でボス伯爵を捕まえた時にスラちゃん以外は何もしなかったので、意外と体力回復ができました。
スラちゃんも、アイテムボックスに入れていたお菓子などをたくさん食べて体力回復をしていました。
ガシャンガシャン!
「おい、今すぐ門を開けろ!」
「誰が開けるもんか!」
ボス伯爵家の屋敷に着くと、押し問答が繰り返されている光景が広がっていました。
屋敷の入り口にある門は固く閉ざされ、先発した兵がボス伯爵家の護衛と揉み合いになっています。
でも、こんなところで時間をかける訳には行きません。
すぐさま、馬車から降りたヘンリーさんがボス伯爵家の護衛に命令しました。
「王国第二王子、ヘンリーだ。玉座の間で発生した、ボス伯爵による国王陛下殺害未遂事件の強制捜査を行う。今すぐ門を開けるのだ!」
「「「えっ、殺害未遂事件!?」」」
自分の主人がとんでもない事件を起こしたと知って、ボス伯爵家の護衛は何がなんだか分からなくなっていました。
その隙にスラちゃんが得意技の鍵開けをして門の鍵を開けちゃったのだけど、ボス伯爵家の護衛はポカーンとしちゃって僕たちを止めませんでした。
そのまま屋敷に向かい、またまたスラちゃんの鍵開けで玄関の扉を開けました。
ガチャ。
「な、な、なんざますか!」
ちょうど玄関ホールにボス伯爵夫人らしき中年の女性がいて、突然屋敷の中に入ってきた僕たちのことをかなり驚いた表情で指さしていた。
念の為に鑑定魔法を使ってもボス伯爵夫人と表示されたけど、どうして問題のある人はとても太っている人が多いのだろうか。
そして、豪華な装飾品をジャラジャラと身につけていて、更に鼻が曲がりそうな程の香水の臭いが辺り一面に漂っていた。
そんな中、ヘンリーさんがビシッと捜査令状をボス伯爵夫人に突きつけた。
「王国第二王子ヘンリーだ。ボス伯爵を、王国国王陛下殺害未遂の現行犯で捕縛した。これより、反逆罪の強制捜査を開始する。家人は、速やかに応接室に行くように」
「はっ?」
ヘンリーさんの宣言を聞いたボス伯爵夫人は、何がなんだか分からないのかポカーンとしちゃいました。
しかし、直ぐにボス伯爵夫人は態度を豹変させたのです。
なんと、どこからか取り出したナイフを手にして僕たちに歩み寄ってきました。
ドスドスドス。
「ふ、ふざけるなざます! ボス伯爵家は、国の頂点に立つざます! 王家の指示など聞かないざます!」
なんというか、魔物がノシノシと僕たちに歩み寄って来る感じですね。
でも、かなり太っている為なのかボス伯爵夫人の動きがとても遅いので、僕たちは思わず呆れちゃいました。
そして、すぐさまシンシアさんがボス伯爵夫人に向けて拘束魔法を放ちました。
シュイン、バシッ!
「ふう、取り敢えず私たちに対する殺人未遂の現行犯ね。国家反逆罪に関わる話もしていたけど、それはおいおい聞きましょうか」
「離すザマス! 今すぐ魔法を解くザマス!」
ジタバタとボス伯爵夫人が床に転がっているけど、勿論シンシアさんが魔法を解くはずがありません。
その間に、ボス伯爵夫人は縄で拘束されてたくさんの兵によって連行されていきました。
前にも似たようなことを見たけど、何で悪いことをする貴族は無駄な悪あがきをするのだろうね。
「香水の臭いがキツイわね……換気するから、玄関ドアは開けっ放しにしてね」
シュイン、ヒュー!
シンシアさんが風魔法で屋敷内の空気を強制換気していたけど、それだけボス伯爵夫人の香水の臭いが凄かったんだよね。
ナンシーさんとエミリーさんも思わず顔をしかめていたし、鼻のいいクロちゃんとギンちゃんにとっては毒ガスだったみたいです。
さてさて、気を取り直して手分けして屋敷内を捜索します。
最初は執務室に向かうのだけど、またもや鍵が掛かっていたのでスラちゃんがササッと鍵開けを行います。
ガチャ。
「誰もいないわね……」
執務室の中には誰もおらず、執務机と本棚が置かれているだけでした。
ナンシーさんも不思議に思っていたけど、本当にがらーんとしていました。
しかし、直ぐにクロちゃんとギンちゃんがスラちゃんとシアちゃんと共にたくさんの書類を見つけていきました。
そして、邪神教関連の犯行を裏付ける決定的な証拠書類を見つけました。
「オオボス侯爵家からの、邪神教に関する指示書だ。ボス伯爵は、元々オオボス侯爵家から婿に入っている。オオボス侯爵家が邪神教の黒幕の一人だと予想していたが、これでボス伯爵家とオオボス侯爵家の邪神教関連の捜査を行える」
オオボス侯爵家からボス伯爵家に指示が行って、そこから貴族家や犯罪組織へ様々なアプローチが行われたみたいです。
となると、このオオボス侯爵家をどうにかできれば、邪神教関連の事件は一息つきそうです。
「オオボス侯爵家は、王都から遠く離れた地方にある。先ずはきっちりと体勢を整えてから向かわないと、逆に我々が撃退される可能性がある。特に、ナオ君はかなりの魔力を消費している」
ヘンリーさんは、焦りは禁物だと僕たちに言ってきました。
邪神教に関わる貴族なので、僕とスラちゃんの浄化魔法が必要になる可能性がとても高かった。
僕も、今の状態だと少し魔力が厳しいです。
でも、今の状態でもやることはたくさんあります。
先ずはボス伯爵家の捜索をして、それからオオボス侯爵家の王都屋敷を捜索することになりました。

