「多分、ボス伯爵家の者だろう。遂に尻尾を出したか」
ヘンリーさんが犯人と思わしき貴族の名前を出したけど、実はゴーマン伯爵に邪神教を勧めていたのが他ならぬボス伯爵でした。
スラちゃんがゴーマン伯爵に対して催眠術聴取を行った時にボス伯爵家の関与が発覚して、色々と調査を行っていたそうです。
そして、ナンシーさんたちが三人の不審者を拘束して連れてきました。
格好は、まるで犯罪組織の構成員みたいですね。
「ナオ君、魔力が少ないところ悪いがコイツラを鑑定してくれ」
ヘンリーさんが僕に申し訳なく言ってきたけど、鑑定魔法はそんなに魔力を使いません。
僕は、直ぐに鑑定魔法を使いました。
シュイン、もわーん。
「あっ、ボス伯爵家の家臣と犯罪組織の構成員って表示されました!」
「ナオ君、ありがとう。ふふ、何で旧ゴーマン伯爵家の屋敷にボス伯爵家の者がいるのかね……」
ヘンリーさんは拘束された三人を見て声のトーンが下がったけど、どう考えてもおかしい話だよね。
更に、スラちゃんとシアちゃんが屋敷の中から僕たちのところに戻ってきました。
そして、スラちゃんがアイテムボックスからある物を取り出しました。
シュイン、ドン!
「何故、暗黒杯が屋敷の中から出てくるのだろうか。まあ、理由は分かっているがね」
「「「ぐっ……」」」
拘束された三人は、ヘンリーさんの言葉を聞いて悔しそうな表情をしていました。
そして、追加でやってきた兵に連行されて行きました。
旧ゴーマン伯爵家の屋敷によどみが溜まるのを見越して、わざと暗黒杯を設置したのでしょう。
ちなみに、暗黒杯に付けられていた魔石はスラちゃんによって外されていて、澱んだ血も凍っています。
なので、もう暗黒杯は安全になっています。
僕とエミリーさん、それにドラちゃんとスラちゃんとシアちゃんは、兵が周囲を確認している間に、十分休憩を取りました。
魔力を使い果たした後は、甘いものが体に染み渡りますね。
お菓子をたくさん食べたら、一気に魔力が回復しました。
「よし、それではこれから王城に向かう。邪神教に関連する法律違反で、ボス伯爵を捕縛する」
「「「おー!」」」
ヘンリーさんの掛け声に、僕たちも拳を突き上げました。
たくさん迷惑を掛けたボス伯爵を捕まえないといけないですね。
ちなみに、ボス伯爵は王家の公務管理をしている重臣みたいです。
僕たちは、馬車に乗り込んで王城に向かいました。
そして、王城に着いてボス伯爵を探すと、何と式典を行っている玉座の間にいました。
ちょうど式典が終わったタイミングなので、僕たちはそのまま玉座の間に入りました。
「父上、獅子身中の虫を捕らえに参りました」
陛下はまだ玉座に座っていたけど、駆けつけたヘンリーさんや僕たちを見たボス伯爵と思わしき人物は目をまん丸にするほどびっくりしていました。
ボス伯爵は、豪華な貴族服を着ていてスキンヘッドのかなりの肥満体型です。
そして、陛下は全く驚きもせずに玉座に座ったままヘンリーさんに返事をしました。
「ほう、獅子身中の虫というとこのボス伯爵の事か。先程報告を受けたが、どうやら王都の邪神教の元締めみたいだのう」
「なっ!?」
陛下が顎をシャクリながら話すと、ボス伯爵はかなり驚いた表情をしていた。
しかし、陛下は尚も玉座に座ったまま淡々と話を続けました。
「ヘンリーたちだけに、邪神教に関する様々な調査を任せると思うか? 余も含めて、ありとあらゆる手を使って邪神教を追っておった。そして、ボス伯爵に辿りついたわけだ。ああ、死刑になったゴーマン伯爵もボス伯爵の関係者が接触してきたと供述しておるぞ。公になってないがな」
「くそっ!」
ボス伯爵は、まさかそこまで王家が調べ上げているとは思わなかったのでしょう。
淡々と話す陛下に向かい、感情を顕にしました。
そして、胸元からポーション瓶を取り出しました。
あれって、もしかして!
「こうなったら、巻き込んで全てをぶっ壊してやる!」
ボス伯爵は、ポーション瓶を空けて一気に中に入っている穢れた血を飲み込もうとしました。
しかし、ボス伯爵は穢れた血を飲むことは叶いませんでした。
シュッ、ザシュ!
ボトリ。
「ギャーーー! 儂の、儂の手がーーー!」
「何にも準備していないわけないだろう。これだけ延々と話していたのだからな」
陛下は呆れたように、床に転がるボス伯爵を玉座から見下していました。
実は、陛下が色々と喋っている間にスラちゃんが密かにボス伯爵の近くに移動していたのです。
そして、陛下がボス伯爵を煽って行動に出たタイミングで、スラちゃんがアイテムボックスに入っていたナイフを触手で握ってボス伯爵の左手首を切り落としたのです。
シュイン、ぴかー!
「この国賊を重犯罪者牢屋にぶち込むのだ! ヘンリーたちは、直ぐにボス伯爵家の屋敷に強制捜査を行うように」
「「「はっ」」」
そして、陛下の命令で僕たちと近衛騎士が一気に動き始めました。
スラちゃんも、ボス伯爵の手首の傷口だけ塞ぐ程度の回復魔法を使いました。
これから、ボス伯爵には厳しい取り調べが待っているもんね。
ちなみに、ボス伯爵が飲もうとした穢れた血が入ったポーション瓶は割れることなく転がっていて、近衛騎士が回収しました。
ボス伯爵の血で汚れた絨毯も、直ぐに綺麗にするそうです。
ヘンリーさんが犯人と思わしき貴族の名前を出したけど、実はゴーマン伯爵に邪神教を勧めていたのが他ならぬボス伯爵でした。
スラちゃんがゴーマン伯爵に対して催眠術聴取を行った時にボス伯爵家の関与が発覚して、色々と調査を行っていたそうです。
そして、ナンシーさんたちが三人の不審者を拘束して連れてきました。
格好は、まるで犯罪組織の構成員みたいですね。
「ナオ君、魔力が少ないところ悪いがコイツラを鑑定してくれ」
ヘンリーさんが僕に申し訳なく言ってきたけど、鑑定魔法はそんなに魔力を使いません。
僕は、直ぐに鑑定魔法を使いました。
シュイン、もわーん。
「あっ、ボス伯爵家の家臣と犯罪組織の構成員って表示されました!」
「ナオ君、ありがとう。ふふ、何で旧ゴーマン伯爵家の屋敷にボス伯爵家の者がいるのかね……」
ヘンリーさんは拘束された三人を見て声のトーンが下がったけど、どう考えてもおかしい話だよね。
更に、スラちゃんとシアちゃんが屋敷の中から僕たちのところに戻ってきました。
そして、スラちゃんがアイテムボックスからある物を取り出しました。
シュイン、ドン!
「何故、暗黒杯が屋敷の中から出てくるのだろうか。まあ、理由は分かっているがね」
「「「ぐっ……」」」
拘束された三人は、ヘンリーさんの言葉を聞いて悔しそうな表情をしていました。
そして、追加でやってきた兵に連行されて行きました。
旧ゴーマン伯爵家の屋敷によどみが溜まるのを見越して、わざと暗黒杯を設置したのでしょう。
ちなみに、暗黒杯に付けられていた魔石はスラちゃんによって外されていて、澱んだ血も凍っています。
なので、もう暗黒杯は安全になっています。
僕とエミリーさん、それにドラちゃんとスラちゃんとシアちゃんは、兵が周囲を確認している間に、十分休憩を取りました。
魔力を使い果たした後は、甘いものが体に染み渡りますね。
お菓子をたくさん食べたら、一気に魔力が回復しました。
「よし、それではこれから王城に向かう。邪神教に関連する法律違反で、ボス伯爵を捕縛する」
「「「おー!」」」
ヘンリーさんの掛け声に、僕たちも拳を突き上げました。
たくさん迷惑を掛けたボス伯爵を捕まえないといけないですね。
ちなみに、ボス伯爵は王家の公務管理をしている重臣みたいです。
僕たちは、馬車に乗り込んで王城に向かいました。
そして、王城に着いてボス伯爵を探すと、何と式典を行っている玉座の間にいました。
ちょうど式典が終わったタイミングなので、僕たちはそのまま玉座の間に入りました。
「父上、獅子身中の虫を捕らえに参りました」
陛下はまだ玉座に座っていたけど、駆けつけたヘンリーさんや僕たちを見たボス伯爵と思わしき人物は目をまん丸にするほどびっくりしていました。
ボス伯爵は、豪華な貴族服を着ていてスキンヘッドのかなりの肥満体型です。
そして、陛下は全く驚きもせずに玉座に座ったままヘンリーさんに返事をしました。
「ほう、獅子身中の虫というとこのボス伯爵の事か。先程報告を受けたが、どうやら王都の邪神教の元締めみたいだのう」
「なっ!?」
陛下が顎をシャクリながら話すと、ボス伯爵はかなり驚いた表情をしていた。
しかし、陛下は尚も玉座に座ったまま淡々と話を続けました。
「ヘンリーたちだけに、邪神教に関する様々な調査を任せると思うか? 余も含めて、ありとあらゆる手を使って邪神教を追っておった。そして、ボス伯爵に辿りついたわけだ。ああ、死刑になったゴーマン伯爵もボス伯爵の関係者が接触してきたと供述しておるぞ。公になってないがな」
「くそっ!」
ボス伯爵は、まさかそこまで王家が調べ上げているとは思わなかったのでしょう。
淡々と話す陛下に向かい、感情を顕にしました。
そして、胸元からポーション瓶を取り出しました。
あれって、もしかして!
「こうなったら、巻き込んで全てをぶっ壊してやる!」
ボス伯爵は、ポーション瓶を空けて一気に中に入っている穢れた血を飲み込もうとしました。
しかし、ボス伯爵は穢れた血を飲むことは叶いませんでした。
シュッ、ザシュ!
ボトリ。
「ギャーーー! 儂の、儂の手がーーー!」
「何にも準備していないわけないだろう。これだけ延々と話していたのだからな」
陛下は呆れたように、床に転がるボス伯爵を玉座から見下していました。
実は、陛下が色々と喋っている間にスラちゃんが密かにボス伯爵の近くに移動していたのです。
そして、陛下がボス伯爵を煽って行動に出たタイミングで、スラちゃんがアイテムボックスに入っていたナイフを触手で握ってボス伯爵の左手首を切り落としたのです。
シュイン、ぴかー!
「この国賊を重犯罪者牢屋にぶち込むのだ! ヘンリーたちは、直ぐにボス伯爵家の屋敷に強制捜査を行うように」
「「「はっ」」」
そして、陛下の命令で僕たちと近衛騎士が一気に動き始めました。
スラちゃんも、ボス伯爵の手首の傷口だけ塞ぐ程度の回復魔法を使いました。
これから、ボス伯爵には厳しい取り調べが待っているもんね。
ちなみに、ボス伯爵が飲もうとした穢れた血が入ったポーション瓶は割れることなく転がっていて、近衛騎士が回収しました。
ボス伯爵の血で汚れた絨毯も、直ぐに綺麗にするそうです。

