今日は久しぶりに一日フリーの日なんだけど、実は朝からお父さんを除いた実家の面々がオラクル公爵家にやってきています。
　というのも、実家のみんながリルムさんに挨拶をしたいそうです。
　お父さんは、未だにドラちゃん便に乗れないんだよね。
　ということで、ドラちゃん便でやってきた実家のみんなが応接室に集まりました。

「「あー、治療したお姉ちゃんだ！」」

　カエラとキースはリルムさんを治療した事があるので、直ぐに気がついていました。
　二人が頑張って治療したのもあるので、リルムさんもニコリとしながらカエラとキースに話しかけました。

「この前は、治療してくれてどうもありがとうございます」
「「いーえー！」」

　カエラとキースもニコリとしながら返事をしていたけど、治療したリルムさんが元気になって嬉しいみたいですね。
　そして、お母さんとサマンサお姉ちゃんもリルムさんのことは何となく知っていました。

「息子から、リルムさんのことは何となく話を聞いていたわ。本当に大変な目に遭ったみたいね。ちょっと大人しくて鈍感な息子だけど、どうか宜しくね」
「ナオは結構お金を稼いでいるし、賃金のことは気にしないでいいわ。というか、あの太っちょ貴族からの慰謝料も入るはずよね」

　お母さんがまた僕のことをニブチンって言っているけど、それはさておきリルムさんにもゴーマン伯爵家からの慰謝料が後日入ります。
　既にゴーマン伯爵への死刑執行は済んでいて関係者も判決に応じた対応となり、多くは強制労働刑の場所に送られました。
　形見などの必要なものを除いてゴーマン伯爵家の物は全て没収され、屋敷も競売にかけられました。
　被害者がとても多いので慰謝料の分配は大変みたいなんだけど、何とか道筋はついたそうです。
　勿論、僕も頑張ってリルムさんのお給料が払えるように頑張ります。

「そのうち、ナオ君専属の使用人も増やす予定よ。ナオ君は大貴族になるのだから、それなりに陣容は整えないといけないのよ」

　一緒に応接室にいるレガリアさんが今後の事について話してくれたけど、僕は伯爵になるのは確実らしいので使用人もそれなりの陣容を組めるようにするそうです。
　僕が成人してから屋敷が下賜されるそうなんだけど、主要な使用人は早めに僕に付けるそうです。
　執事候補も、現在選定中らしいです。
　僕としては、オラクル公爵家にお世話になっているだけでもありがたいんだよね。

「ナオは、取り敢えずいつも通りにしていればいいわ。悪いことをせずに、一生懸命に働いていればいいわよ。勿論、エミリーさんのことも忘れずにね」

　ということで、この場はお母さんがしめて終わりました。
　リルムさんは、当面は他の使用人から色々な勉強をすることになっています。
　そして、話が終わったら今度は賑やかな声が応接室に響きました。

「「あそぼー！」」

　セードルフちゃんとルルちゃんが、待っていたかのように応接室に入ってきました。
　お母さんたちは夕方に実家に戻る予定なので、日中はこのままオラクル公爵家に滞在予定です。
　こうして、僕たちはセードルフちゃんとルルちゃんと一緒に庭で遊びました。
　久々に、ゆっくりした一日でした。