コンコン。
「失礼します」
そして、手続きも終わって今日は何をするのかなと思ったタイミングで、兵が個室に入ってきました。
多分というか、間違いなくあの僕に襲いかかって連行された三人の件についてですね。
冒険者ギルド内で起きた事件なので、ギルドマスターも僕たちと一緒に話を聞くそうです。
でも、実はあの三人の女性について、僕はあまり知らないんだよなあ。
なので、サマンサお姉ちゃんが兵の質問に対応してくれることになりました。
「あの三人が冒険者ギルド内で起こした件については、多数の冒険者や職員より証言が取れておりますので問題ございません。あの三人が、地元でどのような感じだったかをお答え頂けますでしょうか」
「既に情報を持っているかもしれませんが、捕まった代官と結託して私たちからみかじめ料などを要求して贅沢な暮らしをしていた三家のものです。年齢は、確か私よりも三つ上でした。性格は自信過剰で贅沢好き、常に私たちを見下している感じでした」
なんというか、サマンサお姉ちゃんがあの三人がどんな人かを説明する度に、みんなから思わずため息が漏れていました。
人柄としての評価は、僕の元パーティメンバーと全く同じ評価でした。
本当に、性格が似通ったきょうだいだったんですね。
「代官のコネを使って、そこそこ裕福な家に嫁いだはずです。私にも、顔を合わせる度に自慢していました。しかし、実家の不正発覚で強制離縁させられたと聞いておりす。ただ、実家の不正には従属的だったので、強制労働刑も短期間だけだったはずです」
三人が裕福な家庭に嫁いだのは僕が元パーティメンバーに連れ去られたあとなので、スラちゃんも全く知らない話でした。
その後は、実家の不正発覚を期に人生が転落したのでしょう。
「そういう訳だったのですね。では、強制労働刑の刑期満期後の足取りを確認すれば、今回の事件の背景が確定しそうです。お忙しい中、ご協力頂きありがとうございます」
兵はソファーから立ち上がると、僕たちに敬礼をしてから急いで部屋を出ていきました。
兵が部屋を出てから、ヘンリーさんが僕に話をしてきました。
「今回の件は、明確な貴族当主への殺人未遂だ。被害に遭わなかったからいいというわけでは無い。しかも、いま大注目の新興貴族に対する事件だ、厳罰に処されるのは間違いないだろう」
ヘンリーさんの厳しい意見に、年上の人たちとスラちゃんが激しく同意していました。
正直に言うと僕もあまり知らない人だし、襲撃されたこともあるので後は軍にお任せって気持ちです。
そして、別の意味で残念なお知らせがありました。
「まあ、今日一日はナオは屋敷で大人しくしていろ。最近ずっと忙しかったのだから、ゆっくりでもしていたらどうだ?」
「「えー!」」
ギルドマスターの話を聞いて、僕ではなくカエラとキースが思いっきり不満の声を上げていました。
でも、再度事情聴取を受ける可能性もあるし、こればっかりは仕方ないですね。
ということで、残念ながら今日は冒険者活動をせずに屋敷に戻ることになりました。
ショボーンとしている二人も、トボトボと馬車の中に乗り込みました。
そして、オラクル公爵家に着いたら着いたで、ここでもひと騒動に巻き込まれました。
「ナオ君、冒険者ギルドで暴漢に襲われたって聞いたけど大丈夫なの?」
「相手はナイフを持っていたってことだけど、どこも怪我はしていない?」
「わわっ?!」
屋敷に入った途端レガリアさんとルルちゃんを抱いたイザベルさんが慌てて駆け寄ってきて、僕の体をペタペタと触ってきたのです。
この様子を見る限り、どうやら僕が冒険者ギルドで襲われたってことを知っているみたいですね。
何があったかを説明するために、僕たちは応接室に移動しました。
ちなみに、冒険者活動が出来ずに落ち込んでいたカエラとキースは、セードルフちゃんと遊ぶために庭に向かいました。
「そう、そういうことがあったのね」
「ナオ君の地元の問題が絡んでいたなんて」
サマンサお姉ちゃんが今までの経緯を説明してくれたけど、レガリアさんもイザベルさんも深刻そうな表情をみせていました。
折角僕の地元の問題が解決したと思っていたのに、まさかこんなところでトラブルに巻き込まれるとは僕も思ってもいませんでした。
そして、レガリアさんが僕にあることを教えてくれました。
「ナオ君が暴漢に襲われたって話は、かなり広まっているわ。そうなると、ナオ君のご実家にも話が行く可能性があるわ。先行して伝えておいた方がいいわね」
そっか、既にオラクル公爵家にも僕が襲撃されたという話が伝わっているのだから、あっという間に噂が広まりそうです。
すると、サマンサお姉ちゃんが間髪入れずに動いてくれることになりました。
「私の方が、事情を詳しく説明出来るわ。ナオは少し休んでいなさいね」
「キュー!」
ということで、サマンサお姉ちゃんがドラちゃんに乗って実家に行くことになりました。
ドラちゃんなら、あっという間に実家に帰ることが出来るもんね。
「失礼します」
そして、手続きも終わって今日は何をするのかなと思ったタイミングで、兵が個室に入ってきました。
多分というか、間違いなくあの僕に襲いかかって連行された三人の件についてですね。
冒険者ギルド内で起きた事件なので、ギルドマスターも僕たちと一緒に話を聞くそうです。
でも、実はあの三人の女性について、僕はあまり知らないんだよなあ。
なので、サマンサお姉ちゃんが兵の質問に対応してくれることになりました。
「あの三人が冒険者ギルド内で起こした件については、多数の冒険者や職員より証言が取れておりますので問題ございません。あの三人が、地元でどのような感じだったかをお答え頂けますでしょうか」
「既に情報を持っているかもしれませんが、捕まった代官と結託して私たちからみかじめ料などを要求して贅沢な暮らしをしていた三家のものです。年齢は、確か私よりも三つ上でした。性格は自信過剰で贅沢好き、常に私たちを見下している感じでした」
なんというか、サマンサお姉ちゃんがあの三人がどんな人かを説明する度に、みんなから思わずため息が漏れていました。
人柄としての評価は、僕の元パーティメンバーと全く同じ評価でした。
本当に、性格が似通ったきょうだいだったんですね。
「代官のコネを使って、そこそこ裕福な家に嫁いだはずです。私にも、顔を合わせる度に自慢していました。しかし、実家の不正発覚で強制離縁させられたと聞いておりす。ただ、実家の不正には従属的だったので、強制労働刑も短期間だけだったはずです」
三人が裕福な家庭に嫁いだのは僕が元パーティメンバーに連れ去られたあとなので、スラちゃんも全く知らない話でした。
その後は、実家の不正発覚を期に人生が転落したのでしょう。
「そういう訳だったのですね。では、強制労働刑の刑期満期後の足取りを確認すれば、今回の事件の背景が確定しそうです。お忙しい中、ご協力頂きありがとうございます」
兵はソファーから立ち上がると、僕たちに敬礼をしてから急いで部屋を出ていきました。
兵が部屋を出てから、ヘンリーさんが僕に話をしてきました。
「今回の件は、明確な貴族当主への殺人未遂だ。被害に遭わなかったからいいというわけでは無い。しかも、いま大注目の新興貴族に対する事件だ、厳罰に処されるのは間違いないだろう」
ヘンリーさんの厳しい意見に、年上の人たちとスラちゃんが激しく同意していました。
正直に言うと僕もあまり知らない人だし、襲撃されたこともあるので後は軍にお任せって気持ちです。
そして、別の意味で残念なお知らせがありました。
「まあ、今日一日はナオは屋敷で大人しくしていろ。最近ずっと忙しかったのだから、ゆっくりでもしていたらどうだ?」
「「えー!」」
ギルドマスターの話を聞いて、僕ではなくカエラとキースが思いっきり不満の声を上げていました。
でも、再度事情聴取を受ける可能性もあるし、こればっかりは仕方ないですね。
ということで、残念ながら今日は冒険者活動をせずに屋敷に戻ることになりました。
ショボーンとしている二人も、トボトボと馬車の中に乗り込みました。
そして、オラクル公爵家に着いたら着いたで、ここでもひと騒動に巻き込まれました。
「ナオ君、冒険者ギルドで暴漢に襲われたって聞いたけど大丈夫なの?」
「相手はナイフを持っていたってことだけど、どこも怪我はしていない?」
「わわっ?!」
屋敷に入った途端レガリアさんとルルちゃんを抱いたイザベルさんが慌てて駆け寄ってきて、僕の体をペタペタと触ってきたのです。
この様子を見る限り、どうやら僕が冒険者ギルドで襲われたってことを知っているみたいですね。
何があったかを説明するために、僕たちは応接室に移動しました。
ちなみに、冒険者活動が出来ずに落ち込んでいたカエラとキースは、セードルフちゃんと遊ぶために庭に向かいました。
「そう、そういうことがあったのね」
「ナオ君の地元の問題が絡んでいたなんて」
サマンサお姉ちゃんが今までの経緯を説明してくれたけど、レガリアさんもイザベルさんも深刻そうな表情をみせていました。
折角僕の地元の問題が解決したと思っていたのに、まさかこんなところでトラブルに巻き込まれるとは僕も思ってもいませんでした。
そして、レガリアさんが僕にあることを教えてくれました。
「ナオ君が暴漢に襲われたって話は、かなり広まっているわ。そうなると、ナオ君のご実家にも話が行く可能性があるわ。先行して伝えておいた方がいいわね」
そっか、既にオラクル公爵家にも僕が襲撃されたという話が伝わっているのだから、あっという間に噂が広まりそうです。
すると、サマンサお姉ちゃんが間髪入れずに動いてくれることになりました。
「私の方が、事情を詳しく説明出来るわ。ナオは少し休んでいなさいね」
「キュー!」
ということで、サマンサお姉ちゃんがドラちゃんに乗って実家に行くことになりました。
ドラちゃんなら、あっという間に実家に帰ることが出来るもんね。

