でも、忘れてはいけません。
ここは、冒険者ギルドの中です。
とっても強い冒険者が、たくさんいます。
ガシッ、ドサッ。
「「「がっ。は、離せ!」」」
「「「こら、大人しくしろ!」」」
三人の女性は、あっという間に床に後ろ手で押さえつけられました。
どんなに暴れても、屈強な冒険者が相手をしているので逃げ出すことは出来ません。
僕は押さえつけられている女性が未だに誰なのか、全く分かりませんでした。
そんな中、僕の前に一歩踏み出したものが。
ザッ。
「ふふ、久しぶりね」
「「「げっ……」」」
サマンサお姉ちゃんが、組み伏せられている三人の前に立ちました。
おお、サマンサお姉ちゃんの背中しか見えないけど、ドス黒いオーラがズゴゴゴゴって溢れ出ているよ。
うん、サマンサお姉ちゃんから溢れ出ている怒りのオーラにドラちゃんが僕にひしって抱きついてきて、クロちゃんとギンちゃんも抱き合いながらガクガクブルブルと震えているよ。
カエラとキースも抱き合って震えているけど、目の前にいる僕もかなり怖いんですけど……
「ったく、騒いでいる馬鹿はどこのどいつだ!」
更に、騒ぎを聞きつけたギルドマスターが、屈強な職員を引き連れてやってきました。
ヘンリーさんがギルドマスターに事情を説明すると、ギルドマスターは面倒くさそうな表情をしながら屈強な職員に指示を出しました。
「ったく、貴族当主への殺人未遂かよ。コイツラを拘束して、個室に入れて監視するように。あと、兵の詰め所に行って連絡してこい」
「「「はっ」」」
「「「がっ、くそ!」」」
三人がどんなにもがこうとも、屈強な冒険者と職員から逃げることはできません。
縄で縛られ、個室に連行されて行きました。
うーん、どこかで見たことのある光景だなあ。
そして、ギルドマスターが事情を知っていそうなサマンサお姉ちゃんに質問しました。
「それで、あの三人は誰だ?」
「ナオに酷いことをした元パーティメンバーの姉で、確か実家と自身の悪事がバレて嫁ぎ先から離婚されて追い出されたはずです」
「はあ、そういうことか。それで、たまたま貴族になったナオのことを見つけて激昂したって訳か」
あっ、サマンサお姉ちゃんの話を聞いて、ようやく思い出したよ。
確かに、あの個室に連行された女性三人は僕の元パーティメンバーの姉だ。
記憶の中にある姿とあまりにも変わっているから、全然分からなかったよ。
「流石に、嫁ぎ先を追い出されてからの行動は把握しておりません。ですが、あの容姿を見る限り無一文で追い出された可能性が高いかと」
「それは俺も思った。それに随分とプライドが高そうにも見えたが、正直なところ姉が姉なら弟も弟ってことだったんだな」
ギルドマスターがため息をつきながら話をしてくれたけど、確かに昔からあのきょうだいは自信過剰で威張り散らしていたよね。
周りにいた冒険者たちも、僕たちの話を聞いて妙に納得していました。
そして、三人の女性が連行される時に僕の姿を見るとまた大騒ぎを起こす可能性が高いから、僕の姿を見ないようにと個室に案内してくれました。
「ナオも災難だな。手続き変更に来ただけなのに、あんな馬鹿に絡まれるとは」
「あはは……」
ギルドマスターの言葉に、僕は思わず苦笑するばかりでした。
僕も、今回のトラブルは完全に予想外です。
そんなことを思いながら、僕は申請用紙に必要事項を書き込みます。
貴族名とかを書くなんて、何だか慣れないね。
そして、冒険者カードと一緒に申請用紙を職員の人が受け取りました。
更新の間、ギルドマスターと少しお話します。
「あんまり数はないんだが、依頼の中には貴族関係者限定のものだったりってものがある。特殊な依頼だと思えばいい。ちなみに、貴族になっても依頼手数料とかは変わらないぞ」
例えば、貴族関係者しか入れない場所があったり、信頼関係の問題で貴族関係者にしか依頼を出さない人もいるそうです。
確かに特殊な例だけど、依頼としてはありそうですね。
そして、個室の外が少しざわついているけど、もしかしたらあの女性三人が兵に連行されたかもしれない。
いずれにせよ僕の冒険者カードの手続きがまだ終わらないので、暫く個室で待ちます。
「お待たせしました、冒険者カードの更新が完了しました」
暫くすると、職員が更新が終わった冒険者カードを持ってきてくれた。
おお、冒険者カードに登録されている名前が、貴族名に変わったよ。
これを見ると、法衣貴族になったって実感が湧いたね。
すると、職員は今度はたくさんのお金が入った袋を持ってきた。
どーん。
「支払い金額査定中のうち、確定した報酬をお持ちしました」
「あ、ありがとうございます……」
うん、窓口ではなく個室で良かったって思っちゃいました。
周りの人に、なんて言われるか分からないもんね。
僕は、お金をアイテムボックスにしまいながら、そう思いました。
ここは、冒険者ギルドの中です。
とっても強い冒険者が、たくさんいます。
ガシッ、ドサッ。
「「「がっ。は、離せ!」」」
「「「こら、大人しくしろ!」」」
三人の女性は、あっという間に床に後ろ手で押さえつけられました。
どんなに暴れても、屈強な冒険者が相手をしているので逃げ出すことは出来ません。
僕は押さえつけられている女性が未だに誰なのか、全く分かりませんでした。
そんな中、僕の前に一歩踏み出したものが。
ザッ。
「ふふ、久しぶりね」
「「「げっ……」」」
サマンサお姉ちゃんが、組み伏せられている三人の前に立ちました。
おお、サマンサお姉ちゃんの背中しか見えないけど、ドス黒いオーラがズゴゴゴゴって溢れ出ているよ。
うん、サマンサお姉ちゃんから溢れ出ている怒りのオーラにドラちゃんが僕にひしって抱きついてきて、クロちゃんとギンちゃんも抱き合いながらガクガクブルブルと震えているよ。
カエラとキースも抱き合って震えているけど、目の前にいる僕もかなり怖いんですけど……
「ったく、騒いでいる馬鹿はどこのどいつだ!」
更に、騒ぎを聞きつけたギルドマスターが、屈強な職員を引き連れてやってきました。
ヘンリーさんがギルドマスターに事情を説明すると、ギルドマスターは面倒くさそうな表情をしながら屈強な職員に指示を出しました。
「ったく、貴族当主への殺人未遂かよ。コイツラを拘束して、個室に入れて監視するように。あと、兵の詰め所に行って連絡してこい」
「「「はっ」」」
「「「がっ、くそ!」」」
三人がどんなにもがこうとも、屈強な冒険者と職員から逃げることはできません。
縄で縛られ、個室に連行されて行きました。
うーん、どこかで見たことのある光景だなあ。
そして、ギルドマスターが事情を知っていそうなサマンサお姉ちゃんに質問しました。
「それで、あの三人は誰だ?」
「ナオに酷いことをした元パーティメンバーの姉で、確か実家と自身の悪事がバレて嫁ぎ先から離婚されて追い出されたはずです」
「はあ、そういうことか。それで、たまたま貴族になったナオのことを見つけて激昂したって訳か」
あっ、サマンサお姉ちゃんの話を聞いて、ようやく思い出したよ。
確かに、あの個室に連行された女性三人は僕の元パーティメンバーの姉だ。
記憶の中にある姿とあまりにも変わっているから、全然分からなかったよ。
「流石に、嫁ぎ先を追い出されてからの行動は把握しておりません。ですが、あの容姿を見る限り無一文で追い出された可能性が高いかと」
「それは俺も思った。それに随分とプライドが高そうにも見えたが、正直なところ姉が姉なら弟も弟ってことだったんだな」
ギルドマスターがため息をつきながら話をしてくれたけど、確かに昔からあのきょうだいは自信過剰で威張り散らしていたよね。
周りにいた冒険者たちも、僕たちの話を聞いて妙に納得していました。
そして、三人の女性が連行される時に僕の姿を見るとまた大騒ぎを起こす可能性が高いから、僕の姿を見ないようにと個室に案内してくれました。
「ナオも災難だな。手続き変更に来ただけなのに、あんな馬鹿に絡まれるとは」
「あはは……」
ギルドマスターの言葉に、僕は思わず苦笑するばかりでした。
僕も、今回のトラブルは完全に予想外です。
そんなことを思いながら、僕は申請用紙に必要事項を書き込みます。
貴族名とかを書くなんて、何だか慣れないね。
そして、冒険者カードと一緒に申請用紙を職員の人が受け取りました。
更新の間、ギルドマスターと少しお話します。
「あんまり数はないんだが、依頼の中には貴族関係者限定のものだったりってものがある。特殊な依頼だと思えばいい。ちなみに、貴族になっても依頼手数料とかは変わらないぞ」
例えば、貴族関係者しか入れない場所があったり、信頼関係の問題で貴族関係者にしか依頼を出さない人もいるそうです。
確かに特殊な例だけど、依頼としてはありそうですね。
そして、個室の外が少しざわついているけど、もしかしたらあの女性三人が兵に連行されたかもしれない。
いずれにせよ僕の冒険者カードの手続きがまだ終わらないので、暫く個室で待ちます。
「お待たせしました、冒険者カードの更新が完了しました」
暫くすると、職員が更新が終わった冒険者カードを持ってきてくれた。
おお、冒険者カードに登録されている名前が、貴族名に変わったよ。
これを見ると、法衣貴族になったって実感が湧いたね。
すると、職員は今度はたくさんのお金が入った袋を持ってきた。
どーん。
「支払い金額査定中のうち、確定した報酬をお持ちしました」
「あ、ありがとうございます……」
うん、窓口ではなく個室で良かったって思っちゃいました。
周りの人に、なんて言われるか分からないもんね。
僕は、お金をアイテムボックスにしまいながら、そう思いました。

