執事に連れられて二階に行くと、使用人がドタバタと忙しく動いていました。
きっと、何かが起きているのは間違いなさそうです。
そして僕たちは、その使用人が忙しく出入りする部屋の中に案内されました。
「ニーナ様、何があったのですか」
「ヘンリー! ああ、神は私たちをお見捨てにならなかったのね……」
部屋の中では僕より少し大きい男の子がベッドで寝込んでいて、顔も真っ青でかなり体調が悪そうです。
その男の子を見守るようにヘンリーさんくらいの男女が心配そうに男の子を見守っていて、更に中年の男女が涙ながらに男の子に声をかけていました。
ヘンリーさんが声をかけた中年女性は、間違いなくシャーロットさんの娘さんですね。
ヘンリーさんたちと同じ金髪を、頭に綺麗にまとめていました。
急いで、僕とスラちゃんは男の子の元に駆け寄りました。
「まず、病気の状態を確認します」
「お願いするわ」
ニーナさんは、僕にまるで祈るように手を組んで語りかけてきた。
僕は、軽く男の子に軽く魔力を流します。
シュイン。
「えーっと、胸に強いモヤモヤがあります。スラちゃんと確認したけど、毒とかは出ませんでした」
「そうか、それは不幸中の幸いだ。では、治療をしてくれ」
「キュー」
ヘンリーさんの言葉に、ドラちゃんも頑張るぞと声をあげていました。
さっそく、僕たちは魔力を溜め始めました。
シュイン、シュイン、シュイン。
「な、なんということだ。これほどの魔法陣が発動するのは、私でも見たことがないぞ」
「わ、私もです。何という魔力でしょうか……」
侯爵夫妻が僕たちの周りに集まった魔力に驚いていたけど、僕たちは目の前で苦しんでいる人を治療することに集中しています。
魔力もいい感じに集まったので、一気に治療しちゃいましょう。
シュイン、シュイン、ぴかー!
部屋の中を、回復魔法の光が眩しく照らします。
回復魔法の青っぽい光や聖魔法の黄色っぽい光も混じっているので、部屋の中にいる侯爵家の人たちはかなりビックリしていました。
いい感じに治療できたけど、果たして結果はどうだろうか。
「すうすう……」
良かった。
男の子は、安定した寝息に変わっていた。
顔色もとても良く、もう一回魔力を軽く流しても悪いところは全部無くなっていました。
ふう、これで大丈夫ですね。
「もう一回確認しましたけど、もう大丈夫です。でも、だいぶ衰弱しちゃっているので暫くゆっくり療養して下さい」
「もちろんだ。ありがとう、『白銀の竜使い』」
侯爵は、僕の手をがっしりと掴んでお礼を言ってきました。
スラちゃんとドラちゃんの頭を撫でてくれたし、侯爵はとってもいい人ですね。
ニーナさんも涙ながらに僕のことを抱きしめていたけど、母親として本当にホッとしたんだね。
男の子のお兄さんとお姉さんかと思っていた人は、実は次期当主夫妻なんだって。
二人にも、かなり感謝されちゃいました。
なにはともあれ、治療は上手くいったので次期当主夫妻がこの場に残るそうだから、侯爵夫妻が改めて応接室に案内してくれました。
「ナオ、あれだけの治療をして体調は大丈夫なの?」
応接室に行く道中、エミリーさんが僕たちの体調を気遣ってくれました。
やっぱりエミリーさんは優しい人ですね。
「全然平気です。最近魔力制御が上がったので、そんなに魔力を使わなかったです」
「それは良かったわ。私にとってもいとこにあたるから、元気になって本当に安心したのよ。ナオ、ありがとうね」
僕が治療した男の子はエミリーさんの一個上で、今までも何回か会っているそうです。
血が繋がっているいとこだから、病気になっていたら心配するのは当たり前だもんね。
そんなことを話していたら、最初に案内された応接室に戻りました。
「ガンナー侯爵だ。到着したばっかりなのに、息子を治療してくれて本当に助かった。改めてお礼を言おう」
改めて自己紹介をしたけど、僕たち以外は昔からの顔見知りなんだよね。
ガンナー侯爵は筋肉質の体で、濃い青色の髪を短く切りそろえていました。
ぱっと見は、キリリとしたイケメン軍人さんに見えますね。
それでも、優しそうなとてもいい人です。
「ナオ君には母親の命を救ってもらったのに、息子の命も救ってもらったなんて。本当に感謝しているわ。流石は『白銀の竜使い』様ね」
そして、ニーナさんも改めて僕にお礼を言ってきました。
そういえば、シャーロットさんを治療したのももう昨年の話なんだよね。
昨年から色々ありすぎて、ちょっと前のことだと思っちゃったよ。
お茶を飲んで一息ついて落ち着いてから、今回のことを改めて説明してくれることになりました。
「ヘンリーには伝えているが、要件は商店街やスラム街にあるよどみが覆っている建物の浄化だ。私どもや教会で浄化魔法を使えるものも何とかやっているが、やはり強力な浄化魔法が使えないと駄目なところがあるのだ」
既に色々と手を打っているらしいけど、どうしても限界があるのは王都と一緒です。
でも、やることは変わらないし僕たちは全然平気です。
よどみを見つけるぞと、クロちゃんとギンちゃんもとても張り切っていました。
きっと、何かが起きているのは間違いなさそうです。
そして僕たちは、その使用人が忙しく出入りする部屋の中に案内されました。
「ニーナ様、何があったのですか」
「ヘンリー! ああ、神は私たちをお見捨てにならなかったのね……」
部屋の中では僕より少し大きい男の子がベッドで寝込んでいて、顔も真っ青でかなり体調が悪そうです。
その男の子を見守るようにヘンリーさんくらいの男女が心配そうに男の子を見守っていて、更に中年の男女が涙ながらに男の子に声をかけていました。
ヘンリーさんが声をかけた中年女性は、間違いなくシャーロットさんの娘さんですね。
ヘンリーさんたちと同じ金髪を、頭に綺麗にまとめていました。
急いで、僕とスラちゃんは男の子の元に駆け寄りました。
「まず、病気の状態を確認します」
「お願いするわ」
ニーナさんは、僕にまるで祈るように手を組んで語りかけてきた。
僕は、軽く男の子に軽く魔力を流します。
シュイン。
「えーっと、胸に強いモヤモヤがあります。スラちゃんと確認したけど、毒とかは出ませんでした」
「そうか、それは不幸中の幸いだ。では、治療をしてくれ」
「キュー」
ヘンリーさんの言葉に、ドラちゃんも頑張るぞと声をあげていました。
さっそく、僕たちは魔力を溜め始めました。
シュイン、シュイン、シュイン。
「な、なんということだ。これほどの魔法陣が発動するのは、私でも見たことがないぞ」
「わ、私もです。何という魔力でしょうか……」
侯爵夫妻が僕たちの周りに集まった魔力に驚いていたけど、僕たちは目の前で苦しんでいる人を治療することに集中しています。
魔力もいい感じに集まったので、一気に治療しちゃいましょう。
シュイン、シュイン、ぴかー!
部屋の中を、回復魔法の光が眩しく照らします。
回復魔法の青っぽい光や聖魔法の黄色っぽい光も混じっているので、部屋の中にいる侯爵家の人たちはかなりビックリしていました。
いい感じに治療できたけど、果たして結果はどうだろうか。
「すうすう……」
良かった。
男の子は、安定した寝息に変わっていた。
顔色もとても良く、もう一回魔力を軽く流しても悪いところは全部無くなっていました。
ふう、これで大丈夫ですね。
「もう一回確認しましたけど、もう大丈夫です。でも、だいぶ衰弱しちゃっているので暫くゆっくり療養して下さい」
「もちろんだ。ありがとう、『白銀の竜使い』」
侯爵は、僕の手をがっしりと掴んでお礼を言ってきました。
スラちゃんとドラちゃんの頭を撫でてくれたし、侯爵はとってもいい人ですね。
ニーナさんも涙ながらに僕のことを抱きしめていたけど、母親として本当にホッとしたんだね。
男の子のお兄さんとお姉さんかと思っていた人は、実は次期当主夫妻なんだって。
二人にも、かなり感謝されちゃいました。
なにはともあれ、治療は上手くいったので次期当主夫妻がこの場に残るそうだから、侯爵夫妻が改めて応接室に案内してくれました。
「ナオ、あれだけの治療をして体調は大丈夫なの?」
応接室に行く道中、エミリーさんが僕たちの体調を気遣ってくれました。
やっぱりエミリーさんは優しい人ですね。
「全然平気です。最近魔力制御が上がったので、そんなに魔力を使わなかったです」
「それは良かったわ。私にとってもいとこにあたるから、元気になって本当に安心したのよ。ナオ、ありがとうね」
僕が治療した男の子はエミリーさんの一個上で、今までも何回か会っているそうです。
血が繋がっているいとこだから、病気になっていたら心配するのは当たり前だもんね。
そんなことを話していたら、最初に案内された応接室に戻りました。
「ガンナー侯爵だ。到着したばっかりなのに、息子を治療してくれて本当に助かった。改めてお礼を言おう」
改めて自己紹介をしたけど、僕たち以外は昔からの顔見知りなんだよね。
ガンナー侯爵は筋肉質の体で、濃い青色の髪を短く切りそろえていました。
ぱっと見は、キリリとしたイケメン軍人さんに見えますね。
それでも、優しそうなとてもいい人です。
「ナオ君には母親の命を救ってもらったのに、息子の命も救ってもらったなんて。本当に感謝しているわ。流石は『白銀の竜使い』様ね」
そして、ニーナさんも改めて僕にお礼を言ってきました。
そういえば、シャーロットさんを治療したのももう昨年の話なんだよね。
昨年から色々ありすぎて、ちょっと前のことだと思っちゃったよ。
お茶を飲んで一息ついて落ち着いてから、今回のことを改めて説明してくれることになりました。
「ヘンリーには伝えているが、要件は商店街やスラム街にあるよどみが覆っている建物の浄化だ。私どもや教会で浄化魔法を使えるものも何とかやっているが、やはり強力な浄化魔法が使えないと駄目なところがあるのだ」
既に色々と手を打っているらしいけど、どうしても限界があるのは王都と一緒です。
でも、やることは変わらないし僕たちは全然平気です。
よどみを見つけるぞと、クロちゃんとギンちゃんもとても張り切っていました。

