先ずは、教会の外に出ます。
ここに、さっき話のあった仮設孤児院を作ります。
「ヘンリーさん、どんな感じのおうちにしますか?」
「寝る部屋を大きめに作ってくれ。炊事場や水回りなども家の中だな」
地面に木の枝でガリガリと大体の設計図を引いてくれたので、スラちゃんと話をして大体のイメージができました。
一方、シスターさんとスラム街の人たちは、これから何が起きるか分かっていないみたいです。
ではでは、さっそく作っちゃいましょう。
僕とスラちゃんは、魔力を溜めて地面に手をつきました。
シュイン、ズゴゴゴゴ。
「な、なんじゃこりゃ!」
「家が、土の家ができたぞ!」
「こ、これが『白銀の竜使い』様の魔法……」
初めて土魔法で仮設住宅を作るのを見た人は、目の前で起きた出来事に度肝を抜かれていました。
その間に、僕たちは家の強度を確認します。
「子どもが壁にぶつかっても、壁が壊れない強度にしてあります。もちろん、ハンマーとかで思いっきり叩けば壊れますけど」
「そんなことをしたら、普通の木造住宅も壊れてしまうよ。うん、大丈夫だな」
ヘンリーさんチェックはオッケーだったけど、念の為にシスターさんに使い勝手を確認して貰うことにしました。
その間に、僕たちはさっそくスラム街の建物の浄化を行います。
「キャンキャン!」
「いきなり最初の建物から浄化しないと駄目なんだね」
クロちゃんがよどみに反応しているけど、本当にスラム街はよどみが充満しているんだ。
周囲には人がいるなどの問題がないので、ヘンリーさんと相談して一気に数軒浄化してもいいことになった。
シュイン、ぴかー!
「な、なんじゃこりゃ! もの凄い光だぞ!」
「これが、穢れを浄化する聖魔法……」
そんなに強いよどみじゃなかったので、僕たちはあまり魔力を使っていません。
それでも、再びスラム街の住人に衝撃を与えるには十分だったみたいです。
でも、浄化を終えると本当にボロボロのおうちしか残っていませんでした。
「スラム街は犯罪が多いから、その分よどみが多いのだろう。それでも、少しずつやるしかないだろうな」
ヘンリーさんも、慌てずに一気にやらないと言っています。
スラム街の人たちも、いきなり環境が大きく変わるのは良くないと思っていました。
何事も慌てずに、ですね。
でも、それとは関係なくスラム街の浄化作業と孤児院の建設を進めます。
ちなみに、仮設住宅は完全にボロボロで朽ちている建物を撤去してから建てることになりました。
「そのために、俺たちがいるんだぞ。あれだけすげー土の家ができるなら、そっちに住みたいと思うからな」
「しかも、撤去作業で金が貰えるならこっちにとってもありがたいぞ」
ということで、さっそくスラム街の住人が作業し始めました。
その後、僕は十軒の建物を浄化し終えました。
そして、今日の浄化作業はこれで終わりにして、第二弾の作業を始めます。
そのための、追加の聖職者も集まりました。
「では、労働者のために炊き出しを行う。要領は、先日おばあさまが行ったものの縮小版だ」
「「「はい!」」」
今日は初日というのもあって、無理をしないようにします。
ここからは、炊き出しをしてスラム街の人との接触を増やして僕たちが怪しい人ではないと分かって貰います。
でも、ダークシャドウの臭いがする人がいるかもしれないので、クロちゃんにも頑張って貰います。
なので、治療は僕とドラちゃんがメインで行います。
クロちゃんにはナンシーさんがついて、炊き出しにはエミリーさんがつきます。
ヘンリーさんとシンシアさんは、聖職者と打ち合わせをしたり何でも動いたりします。
そして、炊き出しの準備をしつつ無料治療を始めると、直ぐにスラム街の子どもたちがやってきました。
同じ子どもだからか、子どもたちは僕に話しかけてきました。
「あのー、ごはん食べられる?」
「お腹ペコペコ……」
「食べられるよ、準備しているからちょっと待ってね」
「「うん!」」
ボサボサの髪の毛の子が元気よく返事をすると、他の子どもも集まってきました。
ここの教会のシスターさんが話を聞くと、何と全員親がいなくて路上生活をしているそうです。
だからなのか、病気に罹っていたり痩せ細っている人が多くいました。
なので、先に生活魔法で可能な限り体を綺麗にして、治療もしてあげます。
すると、子どもたちが教会の敷地に建っている仮設孤児院に気が付きました。
「わあ、おうちができているよ!」
「土のおうちだ!」
いつの間にかできていた仮設孤児院に、子どもたちは大興奮です。
すると、僕よりも小さな子どもがおずおずとしながらシスターに質問してきた。
「あの、あのおうちに入れるかな?」
「ええ、みんな入れるわよ」
「ほんとーに? 黒い服を来た人が、孤児院はお金がないと入れないって言っていたの……」
この話を聞いた瞬間、改めてスラム街の現状を知りました。
嘘を子どもたちに教えて、自分たちのところに来いと言っているそうです。
お金がないと入れない、または人体実験に使われると脅しているそうです。
しかし、ここで黒い服の男ってキーワードが出てきたのは気になります。
ともあれ、子どもたちをできるだけ保護する必要が出てきました。
なので、ベッドや食器などの仮設孤児院で暮らすのに必要なものを集めることになりました。
何だか、とっても忙しくなってきましたね。
ここに、さっき話のあった仮設孤児院を作ります。
「ヘンリーさん、どんな感じのおうちにしますか?」
「寝る部屋を大きめに作ってくれ。炊事場や水回りなども家の中だな」
地面に木の枝でガリガリと大体の設計図を引いてくれたので、スラちゃんと話をして大体のイメージができました。
一方、シスターさんとスラム街の人たちは、これから何が起きるか分かっていないみたいです。
ではでは、さっそく作っちゃいましょう。
僕とスラちゃんは、魔力を溜めて地面に手をつきました。
シュイン、ズゴゴゴゴ。
「な、なんじゃこりゃ!」
「家が、土の家ができたぞ!」
「こ、これが『白銀の竜使い』様の魔法……」
初めて土魔法で仮設住宅を作るのを見た人は、目の前で起きた出来事に度肝を抜かれていました。
その間に、僕たちは家の強度を確認します。
「子どもが壁にぶつかっても、壁が壊れない強度にしてあります。もちろん、ハンマーとかで思いっきり叩けば壊れますけど」
「そんなことをしたら、普通の木造住宅も壊れてしまうよ。うん、大丈夫だな」
ヘンリーさんチェックはオッケーだったけど、念の為にシスターさんに使い勝手を確認して貰うことにしました。
その間に、僕たちはさっそくスラム街の建物の浄化を行います。
「キャンキャン!」
「いきなり最初の建物から浄化しないと駄目なんだね」
クロちゃんがよどみに反応しているけど、本当にスラム街はよどみが充満しているんだ。
周囲には人がいるなどの問題がないので、ヘンリーさんと相談して一気に数軒浄化してもいいことになった。
シュイン、ぴかー!
「な、なんじゃこりゃ! もの凄い光だぞ!」
「これが、穢れを浄化する聖魔法……」
そんなに強いよどみじゃなかったので、僕たちはあまり魔力を使っていません。
それでも、再びスラム街の住人に衝撃を与えるには十分だったみたいです。
でも、浄化を終えると本当にボロボロのおうちしか残っていませんでした。
「スラム街は犯罪が多いから、その分よどみが多いのだろう。それでも、少しずつやるしかないだろうな」
ヘンリーさんも、慌てずに一気にやらないと言っています。
スラム街の人たちも、いきなり環境が大きく変わるのは良くないと思っていました。
何事も慌てずに、ですね。
でも、それとは関係なくスラム街の浄化作業と孤児院の建設を進めます。
ちなみに、仮設住宅は完全にボロボロで朽ちている建物を撤去してから建てることになりました。
「そのために、俺たちがいるんだぞ。あれだけすげー土の家ができるなら、そっちに住みたいと思うからな」
「しかも、撤去作業で金が貰えるならこっちにとってもありがたいぞ」
ということで、さっそくスラム街の住人が作業し始めました。
その後、僕は十軒の建物を浄化し終えました。
そして、今日の浄化作業はこれで終わりにして、第二弾の作業を始めます。
そのための、追加の聖職者も集まりました。
「では、労働者のために炊き出しを行う。要領は、先日おばあさまが行ったものの縮小版だ」
「「「はい!」」」
今日は初日というのもあって、無理をしないようにします。
ここからは、炊き出しをしてスラム街の人との接触を増やして僕たちが怪しい人ではないと分かって貰います。
でも、ダークシャドウの臭いがする人がいるかもしれないので、クロちゃんにも頑張って貰います。
なので、治療は僕とドラちゃんがメインで行います。
クロちゃんにはナンシーさんがついて、炊き出しにはエミリーさんがつきます。
ヘンリーさんとシンシアさんは、聖職者と打ち合わせをしたり何でも動いたりします。
そして、炊き出しの準備をしつつ無料治療を始めると、直ぐにスラム街の子どもたちがやってきました。
同じ子どもだからか、子どもたちは僕に話しかけてきました。
「あのー、ごはん食べられる?」
「お腹ペコペコ……」
「食べられるよ、準備しているからちょっと待ってね」
「「うん!」」
ボサボサの髪の毛の子が元気よく返事をすると、他の子どもも集まってきました。
ここの教会のシスターさんが話を聞くと、何と全員親がいなくて路上生活をしているそうです。
だからなのか、病気に罹っていたり痩せ細っている人が多くいました。
なので、先に生活魔法で可能な限り体を綺麗にして、治療もしてあげます。
すると、子どもたちが教会の敷地に建っている仮設孤児院に気が付きました。
「わあ、おうちができているよ!」
「土のおうちだ!」
いつの間にかできていた仮設孤児院に、子どもたちは大興奮です。
すると、僕よりも小さな子どもがおずおずとしながらシスターに質問してきた。
「あの、あのおうちに入れるかな?」
「ええ、みんな入れるわよ」
「ほんとーに? 黒い服を来た人が、孤児院はお金がないと入れないって言っていたの……」
この話を聞いた瞬間、改めてスラム街の現状を知りました。
嘘を子どもたちに教えて、自分たちのところに来いと言っているそうです。
お金がないと入れない、または人体実験に使われると脅しているそうです。
しかし、ここで黒い服の男ってキーワードが出てきたのは気になります。
ともあれ、子どもたちをできるだけ保護する必要が出てきました。
なので、ベッドや食器などの仮設孤児院で暮らすのに必要なものを集めることになりました。
何だか、とっても忙しくなってきましたね。

