そして、急いで怪しい場所に行くと、よどみが建物から少し漏れているのが僕にも分かりました。
一見するとただの商会の建物なんだけど、雰囲気がとても怪しいです。
クロちゃんも激しく反応しているし、これってもしかして……
「邪神教の拠点かもしれない。ナオ君たちは魔力を溜めてくれ、合図で一気に浄化する」
「はい!」
「キュー!」
ただならぬ気配に、スラちゃんとドラちゃんも直ぐに魔力を溜め始めました。
シンシアさんとエミリーさんも、何かあった時のために魔法障壁を展開する準備をしています。
「ヘンリー様、ドアを開けます」
「やってくれ、ナオ君はダークシャドウが出たら間髪入れずに浄化だ」
鍵が閉まっているドアを、近衛騎士が無理矢理こじ開けました。
すると、建物の中から勢いよくダークシャドウが溢れ出てきました。
シュイン、シュイン、ぴかー!
ズゴゴゴゴ!
直ぐに僕たちは浄化魔法を放ったけど、スラム街にあった邪神教のアジトと同じレベルのダークシャドウが溜まっています。
でも、僕たちもあの頃と比べてパワーアップしています。
ドラちゃんが大きくなることなく、何とか建物の内部を浄化し終えました。
「へ、ヘンリーさん、何とか浄化が終わりました……」
「ナオ君、ありがとう。少し休んでてくれ。追加の兵を呼んだから、エミリーはナオ君の護衛を、シンシア、ナンシー、スラちゃんで中に入る」
クロちゃんも、休んでいる僕とドラちゃんを守ると張り切っています。
でも、誰かがやってくる可能性もあるので、慎重に周囲を確認しないと。
念の為に、探索魔法を使って。
シュイン、もわーん。
「あっ、エミリーさん、物陰から僕たちの様子を見ている怪しい人がいます!」
「私も確認したわ。一気に制圧するわよ」
シュイン、バリバリ!
「「「ギャー!」」」
全身黒尽くめの見るからに怪しい人たちが、エミリーさんのエリアスタンで倒されました。
念の為に鑑定すると、バッチリと邪神教関係者と出てきました。
エミリーさんがささっと不審者を拘束する間に、もう一回周囲を確認します。
取りあえずは、大丈夫みたいですね。
ちょっと大きくなったドラちゃんに不審者三人を運んでもらい、また周囲を警戒します。
すると、程なくして応援の兵がやってきました。
おお、五十人以上いるよ。
「エミリー殿下、遅くなって申し訳ありません」
「大丈夫よ。お兄様は建物の中に入っているわ、周囲にまだ誰かいるかもしれないから警戒を続けて」
「畏まりました」
エミリーさんが倒した三人は、更に厳重に拘束された上で連行されました。
そして、周囲を警戒する班と建物に突入する班に分かれました。
ふう、これで少し一安心です。
ドラちゃんとクロちゃんにご褒美のお肉をあげつつ、周囲に視線を向けます。
うーん、至って普通の商店街の一角ですね。
「クロちゃん、周囲にダークシャドウの臭いはする?」
「ワフワフ」
クロちゃんももう大丈夫だと言っているけど、もしかしたら不審者は事態に気がついて逃げているだけかもしれないね。
そして、建物の中から次々と怪しい人が連行されていきます。
連行された怪しい人は軽く十人を超えるし、いったい中はどうなっているのだろうか。
すると、シンシアさんが僕たちを呼びにきました。
「エミリー、ナオ君、建物を完全制圧したわ。そちらはどうかしら?」
「不審者が三人いたから倒しましたわ。今は、周囲に何もないですわ」
「そう、ありがとうね。じゃあ、中に入ってくれるかしら」
ということで建物の中に入ると、またもや内部はお札だらけでした。
建物の外に、暗黒魔法が漏れるのを防いでいたのでしょう。
これは、邪神教の暗黒杯が置かれていた建物の特徴と一致しています。
やっぱりというか、一番大きな部屋の中に暗黒杯が置かれていました。
既に魔石は取り外されて捧げられていた血も凍らせてあったけど、たくさんの魔力が溜められていたのは間違いなかった。
その機能を失った暗黒杯の前に、ヘンリーさんが難しい顔をしながら立っていた。
「ナオ君、お疲れ様」
「ヘンリーさんどうしたんですか? 何だか難しい顔をしていますよ」
「いやね、ノーマークだったところから暗黒杯が出てきたんだ。多分、私たちの知らないところにまだ暗黒杯があるのではと思っているのだよ」
あっ、そっか。
今回は、怪しい人が出入りしている建物があるという市民からの通報が元だった。
この間のフィース子爵の件もあるし、意外なところに暗黒杯があるのかもしれない。
特に、スラム街なんてとても怪しそうだよね。
「うーん、町の人から情報を得たいですよね。奉仕活動とかに集まった人から話を聞くのはどうでしょうか?」
「何もやらないよりかは良いだろう。邪神教関係者なら、クロちゃんの鼻の良さで判別できる。今回の件が落ち着いたら、試しにやってみよう」
噂レベルでも何か情報が集まればいいと、ヘンリーさんは判断しました。
ついでに町の改善案も聞けるから、一石二鳥です。
でも、先ずは目の前のことを片付けないといけないね。
一見するとただの商会の建物なんだけど、雰囲気がとても怪しいです。
クロちゃんも激しく反応しているし、これってもしかして……
「邪神教の拠点かもしれない。ナオ君たちは魔力を溜めてくれ、合図で一気に浄化する」
「はい!」
「キュー!」
ただならぬ気配に、スラちゃんとドラちゃんも直ぐに魔力を溜め始めました。
シンシアさんとエミリーさんも、何かあった時のために魔法障壁を展開する準備をしています。
「ヘンリー様、ドアを開けます」
「やってくれ、ナオ君はダークシャドウが出たら間髪入れずに浄化だ」
鍵が閉まっているドアを、近衛騎士が無理矢理こじ開けました。
すると、建物の中から勢いよくダークシャドウが溢れ出てきました。
シュイン、シュイン、ぴかー!
ズゴゴゴゴ!
直ぐに僕たちは浄化魔法を放ったけど、スラム街にあった邪神教のアジトと同じレベルのダークシャドウが溜まっています。
でも、僕たちもあの頃と比べてパワーアップしています。
ドラちゃんが大きくなることなく、何とか建物の内部を浄化し終えました。
「へ、ヘンリーさん、何とか浄化が終わりました……」
「ナオ君、ありがとう。少し休んでてくれ。追加の兵を呼んだから、エミリーはナオ君の護衛を、シンシア、ナンシー、スラちゃんで中に入る」
クロちゃんも、休んでいる僕とドラちゃんを守ると張り切っています。
でも、誰かがやってくる可能性もあるので、慎重に周囲を確認しないと。
念の為に、探索魔法を使って。
シュイン、もわーん。
「あっ、エミリーさん、物陰から僕たちの様子を見ている怪しい人がいます!」
「私も確認したわ。一気に制圧するわよ」
シュイン、バリバリ!
「「「ギャー!」」」
全身黒尽くめの見るからに怪しい人たちが、エミリーさんのエリアスタンで倒されました。
念の為に鑑定すると、バッチリと邪神教関係者と出てきました。
エミリーさんがささっと不審者を拘束する間に、もう一回周囲を確認します。
取りあえずは、大丈夫みたいですね。
ちょっと大きくなったドラちゃんに不審者三人を運んでもらい、また周囲を警戒します。
すると、程なくして応援の兵がやってきました。
おお、五十人以上いるよ。
「エミリー殿下、遅くなって申し訳ありません」
「大丈夫よ。お兄様は建物の中に入っているわ、周囲にまだ誰かいるかもしれないから警戒を続けて」
「畏まりました」
エミリーさんが倒した三人は、更に厳重に拘束された上で連行されました。
そして、周囲を警戒する班と建物に突入する班に分かれました。
ふう、これで少し一安心です。
ドラちゃんとクロちゃんにご褒美のお肉をあげつつ、周囲に視線を向けます。
うーん、至って普通の商店街の一角ですね。
「クロちゃん、周囲にダークシャドウの臭いはする?」
「ワフワフ」
クロちゃんももう大丈夫だと言っているけど、もしかしたら不審者は事態に気がついて逃げているだけかもしれないね。
そして、建物の中から次々と怪しい人が連行されていきます。
連行された怪しい人は軽く十人を超えるし、いったい中はどうなっているのだろうか。
すると、シンシアさんが僕たちを呼びにきました。
「エミリー、ナオ君、建物を完全制圧したわ。そちらはどうかしら?」
「不審者が三人いたから倒しましたわ。今は、周囲に何もないですわ」
「そう、ありがとうね。じゃあ、中に入ってくれるかしら」
ということで建物の中に入ると、またもや内部はお札だらけでした。
建物の外に、暗黒魔法が漏れるのを防いでいたのでしょう。
これは、邪神教の暗黒杯が置かれていた建物の特徴と一致しています。
やっぱりというか、一番大きな部屋の中に暗黒杯が置かれていました。
既に魔石は取り外されて捧げられていた血も凍らせてあったけど、たくさんの魔力が溜められていたのは間違いなかった。
その機能を失った暗黒杯の前に、ヘンリーさんが難しい顔をしながら立っていた。
「ナオ君、お疲れ様」
「ヘンリーさんどうしたんですか? 何だか難しい顔をしていますよ」
「いやね、ノーマークだったところから暗黒杯が出てきたんだ。多分、私たちの知らないところにまだ暗黒杯があるのではと思っているのだよ」
あっ、そっか。
今回は、怪しい人が出入りしている建物があるという市民からの通報が元だった。
この間のフィース子爵の件もあるし、意外なところに暗黒杯があるのかもしれない。
特に、スラム街なんてとても怪しそうだよね。
「うーん、町の人から情報を得たいですよね。奉仕活動とかに集まった人から話を聞くのはどうでしょうか?」
「何もやらないよりかは良いだろう。邪神教関係者なら、クロちゃんの鼻の良さで判別できる。今回の件が落ち着いたら、試しにやってみよう」
噂レベルでも何か情報が集まればいいと、ヘンリーさんは判断しました。
ついでに町の改善案も聞けるから、一石二鳥です。
でも、先ずは目の前のことを片付けないといけないね。

