翌日、僕は新年初めてのお仕事をするためにナンシーさんとともに軍の施設に向かいました。
軍は常に訓練をしているから、怪我人もとっても多いです。
その前に会議室で話があるそうなので、ナンシーさんと移動しました。
すると、会議室に入った途端僕のことをペタペタと触ってくる人たちが。
「ナオ君、不審者に襲われたって聞いたけど大丈夫だった?」
「ナオ、怪我とかしていない? ナオに何かあったら、私が不審者をぶっ飛ばしてあげるわ」
シンシアさんとエミリーさんが、心配そうに僕の体を確認していました。
実際に襲われたのはサマンサお姉ちゃんたちと、子どもたちなんだけどなあ。
そんなことを思いつつ、ヘンリーさんから話を聞きます。
「フィース子爵が使った不審者も、ボンバー伯爵が使った不審者も、ナオ君の関係者に危害を加えてナオ君の動きを止めようとしていた。フィース子爵は邪神教関連、ボンバー伯爵はブレアとナンシーの婚姻関係の件だ」
うーん、何となく予想できたけど、妨害行為をして悪いことをしようだなんて。
僕が動けなくなれば、他の人も動けなくなるだろうと踏んでいたみたいです。
「まあ、それだけ奴らにとってはナオ君は目の上のたんこぶなんだよ。邪神教関連でいえばダークシャドウを浄化しているし、王家ともとても仲が良いからね。まあ、両家ともそんな奴は知らないと尻尾切りを図ろうとしてるけど」
僕としては意識して何かをやっている訳じゃないし、一生懸命やった結果なんだと思うんだけどなあ。
王太后様でもあるシャーロットさんを治療したのも、治って欲しいと純粋に思っただけだし。
アーサーちゃんとエドガーちゃんも、二人の方から僕に近寄ってくれたもんね。
「まあ、総じていえばナオ君に悪意がないからっていうのもある。腹に一物抱えているものは、何かと疑心暗鬼になって余計なことをするものだ。だから、こうして妨害行為をして意識を向かせないようにする。普通にしていれば、こんなことをする必要すらない」
おお、ヘンリーさんがバッサリと切り捨てちゃった。
でも、悪いことをしないとこういう妨害行為はしないというのは納得ですね。
そして、今度はスラちゃんとドラちゃんに話がありました。
「ナオ君から聞いたかと思うけど、フィース子爵家に潜入調査を行って貰いたい。もう少し情報を集めて精査したら、直ぐに指示を出す。ボンバー伯爵家に潜入するかは、また話を詰めてからにしよう」
「キュッ」
スラちゃんとドラちゃんが可愛らしく敬礼ポーズをしているけど、いよいよそういう状況になってきたんだ。
軍の情報収集能力って、本当に凄いんだね。
話はこれで終わり、僕たちは兵の治療をするために会議室から治療施設に向かいました。
病室にいったらビックリしてしまいました。
なんと、大部屋が満床だったのです。
「あの、何でこんなに怪我人が多いんですか?」
「年始の大演習で怪我をした人なのよ。毎年こうなるんだけどね」
シンシアさんが教えてくれたけど、毎年新年の翌日に軍の大規模な訓練が行われるそうです。
参加者も多く激しい訓練なので、毎年怪我人が出るそうです。
ということで、ここからはとっても忙しい治療が始まりました。
重傷者は殆どいなかったけど、骨折している人も複数みられました。
みんなで手分けして治療したんだけど、午前中で全員を治療できませんでした。
「うーん、こんなにたくさん怪我人がいるなんて……」
「魔力はまだ大丈夫だけど、午後も頑張らないといけないわね」
「キュー」
軍の食堂で昼食を食べながら、僕だけでなくエミリーさんも愚痴をこぼしていました。
因みに、ヘンリーさんとシンシアさんは公務があるので午後からは不在です。
僕たちへの指示は、ナンシーさんが出してくれることになります。
「私としては、スラちゃんが指示を出しても問題ないと思うわ。それだけの力はあると思うけどね」
ナンシーさんが苦笑しながらぽつりと呟くと、スラちゃんは直ぐにふるふると否定していた。
特に問題なさそうだなと思ったけど、僕たち以外は筆談じゃないと意思疎通できないからだそうです。
こればっかりは仕方ないねといいつつ、全員食べ終えたので午後の治療を始めます。
「午前中に比べると、重傷者の数が多いですね。骨折だけじゃなくて、関節も怪我しています」
「見た目以上の怪我が多いのね。きっと、無理して訓練を続けて怪我をした状態で本番に臨んだのね」
僕の呟きにナンシーさんが返答してくれたけど、これなら大演習を行う前に怪我をしている人を治療すれば良かったのかも。
今年は、時間があったら年末に集中的に治療して大きな怪我を予防するのも一つの手だよね。
この辺りは、エミリーさん経由でヘンリーさんに伝えてくれるそうです。
こうして、夕方前に治療は完了しました。
すると、軍からある提案がありました。
「腕の良い治療兵が何人かいるので、今度の治療の際に一緒にみて欲しい」
「ええ、構いません。軍の能力向上にも繋がりますし、私たちの負担も減りますので」
軍にも治療兵がいるけど、魔力の扱いがいまいちだそうです。
魔法兵とはまた訓練方法が違うらしいけど、その辺りもみるのかな。
ナンシーさんが承諾したので、次回の治療が楽しみです。
もちろん、スラちゃんとドラちゃんもやる気満々ですね。
無事に全て終わったのだけど、明日は勇者パーティとして活動する予定です。
問題になっている二つの事件が、一日も早く解決すれば良いな。
軍は常に訓練をしているから、怪我人もとっても多いです。
その前に会議室で話があるそうなので、ナンシーさんと移動しました。
すると、会議室に入った途端僕のことをペタペタと触ってくる人たちが。
「ナオ君、不審者に襲われたって聞いたけど大丈夫だった?」
「ナオ、怪我とかしていない? ナオに何かあったら、私が不審者をぶっ飛ばしてあげるわ」
シンシアさんとエミリーさんが、心配そうに僕の体を確認していました。
実際に襲われたのはサマンサお姉ちゃんたちと、子どもたちなんだけどなあ。
そんなことを思いつつ、ヘンリーさんから話を聞きます。
「フィース子爵が使った不審者も、ボンバー伯爵が使った不審者も、ナオ君の関係者に危害を加えてナオ君の動きを止めようとしていた。フィース子爵は邪神教関連、ボンバー伯爵はブレアとナンシーの婚姻関係の件だ」
うーん、何となく予想できたけど、妨害行為をして悪いことをしようだなんて。
僕が動けなくなれば、他の人も動けなくなるだろうと踏んでいたみたいです。
「まあ、それだけ奴らにとってはナオ君は目の上のたんこぶなんだよ。邪神教関連でいえばダークシャドウを浄化しているし、王家ともとても仲が良いからね。まあ、両家ともそんな奴は知らないと尻尾切りを図ろうとしてるけど」
僕としては意識して何かをやっている訳じゃないし、一生懸命やった結果なんだと思うんだけどなあ。
王太后様でもあるシャーロットさんを治療したのも、治って欲しいと純粋に思っただけだし。
アーサーちゃんとエドガーちゃんも、二人の方から僕に近寄ってくれたもんね。
「まあ、総じていえばナオ君に悪意がないからっていうのもある。腹に一物抱えているものは、何かと疑心暗鬼になって余計なことをするものだ。だから、こうして妨害行為をして意識を向かせないようにする。普通にしていれば、こんなことをする必要すらない」
おお、ヘンリーさんがバッサリと切り捨てちゃった。
でも、悪いことをしないとこういう妨害行為はしないというのは納得ですね。
そして、今度はスラちゃんとドラちゃんに話がありました。
「ナオ君から聞いたかと思うけど、フィース子爵家に潜入調査を行って貰いたい。もう少し情報を集めて精査したら、直ぐに指示を出す。ボンバー伯爵家に潜入するかは、また話を詰めてからにしよう」
「キュッ」
スラちゃんとドラちゃんが可愛らしく敬礼ポーズをしているけど、いよいよそういう状況になってきたんだ。
軍の情報収集能力って、本当に凄いんだね。
話はこれで終わり、僕たちは兵の治療をするために会議室から治療施設に向かいました。
病室にいったらビックリしてしまいました。
なんと、大部屋が満床だったのです。
「あの、何でこんなに怪我人が多いんですか?」
「年始の大演習で怪我をした人なのよ。毎年こうなるんだけどね」
シンシアさんが教えてくれたけど、毎年新年の翌日に軍の大規模な訓練が行われるそうです。
参加者も多く激しい訓練なので、毎年怪我人が出るそうです。
ということで、ここからはとっても忙しい治療が始まりました。
重傷者は殆どいなかったけど、骨折している人も複数みられました。
みんなで手分けして治療したんだけど、午前中で全員を治療できませんでした。
「うーん、こんなにたくさん怪我人がいるなんて……」
「魔力はまだ大丈夫だけど、午後も頑張らないといけないわね」
「キュー」
軍の食堂で昼食を食べながら、僕だけでなくエミリーさんも愚痴をこぼしていました。
因みに、ヘンリーさんとシンシアさんは公務があるので午後からは不在です。
僕たちへの指示は、ナンシーさんが出してくれることになります。
「私としては、スラちゃんが指示を出しても問題ないと思うわ。それだけの力はあると思うけどね」
ナンシーさんが苦笑しながらぽつりと呟くと、スラちゃんは直ぐにふるふると否定していた。
特に問題なさそうだなと思ったけど、僕たち以外は筆談じゃないと意思疎通できないからだそうです。
こればっかりは仕方ないねといいつつ、全員食べ終えたので午後の治療を始めます。
「午前中に比べると、重傷者の数が多いですね。骨折だけじゃなくて、関節も怪我しています」
「見た目以上の怪我が多いのね。きっと、無理して訓練を続けて怪我をした状態で本番に臨んだのね」
僕の呟きにナンシーさんが返答してくれたけど、これなら大演習を行う前に怪我をしている人を治療すれば良かったのかも。
今年は、時間があったら年末に集中的に治療して大きな怪我を予防するのも一つの手だよね。
この辺りは、エミリーさん経由でヘンリーさんに伝えてくれるそうです。
こうして、夕方前に治療は完了しました。
すると、軍からある提案がありました。
「腕の良い治療兵が何人かいるので、今度の治療の際に一緒にみて欲しい」
「ええ、構いません。軍の能力向上にも繋がりますし、私たちの負担も減りますので」
軍にも治療兵がいるけど、魔力の扱いがいまいちだそうです。
魔法兵とはまた訓練方法が違うらしいけど、その辺りもみるのかな。
ナンシーさんが承諾したので、次回の治療が楽しみです。
もちろん、スラちゃんとドラちゃんもやる気満々ですね。
無事に全て終わったのだけど、明日は勇者パーティとして活動する予定です。
問題になっている二つの事件が、一日も早く解決すれば良いな。

