「何なの、、、」
 私は下を向いて廊下を歩く。
突然音楽室に現れたと思ったら、私に説教するし、ピアノの音が綺麗だとか言い出す。
本当に、何なの?あいつ、、、。
「ってか、、、そもそも誰?」
 私のクラスメートで、音楽室にいたってことは、サボり?
私が言えないけど、、、。
『一番綺麗な音』
とか本当に言われたくなかった。
なのに、、、。

「風奏!もう教室戻ってきて大丈夫なの?」
 教室の前で英子が声をかけてきた。
「あ、うん、落ち着いたから大丈夫」
 いつのまにか、気分は落ち着いていた。
ピアノ、、、弾いたからかな。
「そう、良かったわ」
 嬉しそうに英子が笑顔を見せた。
「ありがと」
 短くそう言い自分の席に着いた。