妃詩との再会から、2ヶ月ほどが経った11月のある日。
海の近くにあるコンサートホールで高校生バンド、stRINGs melody.のライブが行われた。

「、、、」
「ちづ?どうしたんだ?」
 手のひらを見つめ、深く呼吸をする千絃に律が問いかける。
「、、、緊張してるんだ」
「、、、なんだ、お前もか。良かった」
「は?お前も緊張してんのかよ?、、、ったくびびらせんなよ。飄々としやがって」
 律のいつも通りの姿に焦っていたようだ。
「俺だって緊張するよ。ってかお前の方が緊張しなさそうだし」
「は?偏見だ、偏見」
「、、、はは、そーだな」
 不意に無言になる。
緊張の糸が張り詰めている。
「なぁ、千絃」
「ッ!?なんだよ、急に」
「、、、どんなお前でも、お前は俺の最強で最高な相棒だから」
「ッ!?」
「、、、だから、一緒に最高なステージにしようぜ!」
 律が笑顔で拳を突き出す。
「、、、おう!律、ありがとな!」
 千絃は律の拳に自分の拳をコツンと当てた。