夏休みが始まった。

夏休み初日、私は英子はとショッピングを堪能した。
「ちづくんなんて、風奏があげたもの全部気にいるって。そんなに悩まなくてもいいんじゃない？」
「でも､､､せっかくの誕生日なんだし、記念にあげたいじゃん！特別な感じのさ。まぁ、まだ結構先なんだけど」
　正直に言うと千絃の誕生日は8月の終わりの方だ。
だが、迷うのは目に見えてわかっているので早めに選ぼうと英子とショッピングも兼ねて買おうとしていた。
「､､､そういえば、もう少しで､､､」
　意味深にうんうんと頷く英子。
「また何かあるの？」
　思わず訊くと
「え？文化祭よ。文化祭まで練習ちづくんが手伝ってくれるんでしょ？そのお礼も兼ねたらいいんじゃないかなって思って。」
「あ！それいいね。元はと言えば日頃の感謝を伝えるためだし」
　私は声をあげより真剣に商品を眺める。
ふと横を見ると英子も眉間に皺を寄せて悩んでいる。
「うーん､､､。ホントになんでも喜ぶと思うけど､､､。あ！お揃いでなにかあげたら？」
「え？お揃い？」
「え？本当に風奏、日頃の感謝を伝えるだけの誕生日プレゼントなの？」
「え、そうだけど､､､。あ、リングのネックレスはどうかな？」
　おずおずと、今思いついた案を口に出す。
「いいわね！ずっと一緒にいられますようにって感じで？」
「え？バンド名、stRINGs melody.でしょ？だから」
「､､､いいじゃない！早速買いに行こう！」
「え？何､､､今の間？」
　なんのこと？早速探しに行くよ！と英子に引っ張られる形で、私はプレゼントを買いに向かった。

その後も、英子とショッピング、映画、ランチなど夏休みを堪能した。
そしてカラオケにも行った。
え〜音痴なりに頑張ったんだよ？と言っていたくせには上手かった。とコメントができないほど英子は音痴だ。
という感想を抱いてしまった。

そんな英子と夏休みを過ごしていたが、ピアノの練習も欠かさなかった。

　2日に一回、学校へ行き、音楽室で練習を重ねたのだ。
いつも音楽室に行くと千絃がいて、私の練習に付き合ってくれる。