私は英子の家へと足を進めた。
そして姫路、と書かれた表札の下がっている綺麗な一軒家を見つけた。
深呼吸して、インターホンに手を伸ばした。
「うちに何か?」
急に後ろから声をかけられた。
中年の女の人がいた。目元が、英子にとても似ている。
英子のお母さんかな、、、?と思い、伝える。
「あ、えっと、、、英子さんに、会いにきました」
「英子なら部屋にいるから。どうぞ上がって」
とにこやかに言った。
時間的に学校があるのに、そのことは何も言わず私を招き入れてくれた。
家に入りながら、
「英子の母です、よろしくね」
と挨拶された。
「あ、潮見風奏と言います。風に奏でるで、風奏です」
「風奏ちゃん、いいお名前ね。なんだか、風でも吹かせちゃいそうな、そんなお名前だわ」
そう、名前を褒めたあと、木の扉の前で立ち止まった。
英子の部屋に着いたようだった。
「英子、風奏ちゃんって子が来てるわよ」
「え?」
「入るわよ」
「あっ、ちょっ!」
英子の有無を言わせずに扉を開けた。
「じゃあ、ゆっくりしてってね」
私の背中を押し、英子の部屋に入れた。そして英子のお母さんはニッコリ笑って扉を閉めた。
「英子」
私は呼んだ。
「ごめんなさい。私ね、、、」
「座って。こんな汚い部屋だけど、、、」
英子が口を挟んだ。
「え?うんん、そんなことないよ。私の部屋の方が汚いから」
と無造作に置かれたクッションに腰掛けながら、私は英子の、漫画や小説、そして、参考書がたくさん積まれた部屋を眺めた。
英子は部屋の窓際のベッドに寝転びながら参考書を読んでいたようで私が入ってきて、慌てて参考書を置き、起き上がった。
改めて話を切り出そうとした瞬間。
「ごめんなさい!」
いきなり英子が叫んだ。
「え、、、?謝るのは、私だよ?」
「うんん、あたし。何も言わずに、、、出ていって。すぐに謝らなきゃって思ったんだけど、昨日の雨のせいで風邪引いちゃって。本当にごめんなさい」
「私、英子を傷つけちゃったから、私のせいで学校に来なかったらどうしようって。もう、私に会いたくないって、思うかもってものすごく不安だった」
「え!?そんなわけないじゃない!熱が出なけりゃ、学校に行ってすぐさま謝ろうと思ってたわよ。、、、まあ、もう熱は下がったんだけど。律くんから聞いてる、よね?」
「うん。本当に良かった。あ、これは英子の熱が下がってよかったってことね?」
「ふふ、わかってるわよ」
英子が明るく微笑んだ。
「あのさ、英子。英子に伝えたいことがあるの」
と私は自分の中学時代のことを話し出した。
親友との、過去も、全て。
「そうだったの、、、。なにも知らないで、ごめんなさい。本当にごめん」
「私こそ、話してなかったんだし。またヒナみたいになって、私が傷つけて、離れちゃうんじゃないかって。怖かったの。ごめん」
黙って英子は首を振ったあと、
「ねぇ、風奏。まだ、思い出せない?」
と静かに訊いた。
「うん、、、。ごめん」
「そっか。あたしも、話、するね。風奏はしてくれたんだし」
「英子の?嬉しい。聴きたい!」
にこやかな表情になって英子は頷いた。
そして姫路、と書かれた表札の下がっている綺麗な一軒家を見つけた。
深呼吸して、インターホンに手を伸ばした。
「うちに何か?」
急に後ろから声をかけられた。
中年の女の人がいた。目元が、英子にとても似ている。
英子のお母さんかな、、、?と思い、伝える。
「あ、えっと、、、英子さんに、会いにきました」
「英子なら部屋にいるから。どうぞ上がって」
とにこやかに言った。
時間的に学校があるのに、そのことは何も言わず私を招き入れてくれた。
家に入りながら、
「英子の母です、よろしくね」
と挨拶された。
「あ、潮見風奏と言います。風に奏でるで、風奏です」
「風奏ちゃん、いいお名前ね。なんだか、風でも吹かせちゃいそうな、そんなお名前だわ」
そう、名前を褒めたあと、木の扉の前で立ち止まった。
英子の部屋に着いたようだった。
「英子、風奏ちゃんって子が来てるわよ」
「え?」
「入るわよ」
「あっ、ちょっ!」
英子の有無を言わせずに扉を開けた。
「じゃあ、ゆっくりしてってね」
私の背中を押し、英子の部屋に入れた。そして英子のお母さんはニッコリ笑って扉を閉めた。
「英子」
私は呼んだ。
「ごめんなさい。私ね、、、」
「座って。こんな汚い部屋だけど、、、」
英子が口を挟んだ。
「え?うんん、そんなことないよ。私の部屋の方が汚いから」
と無造作に置かれたクッションに腰掛けながら、私は英子の、漫画や小説、そして、参考書がたくさん積まれた部屋を眺めた。
英子は部屋の窓際のベッドに寝転びながら参考書を読んでいたようで私が入ってきて、慌てて参考書を置き、起き上がった。
改めて話を切り出そうとした瞬間。
「ごめんなさい!」
いきなり英子が叫んだ。
「え、、、?謝るのは、私だよ?」
「うんん、あたし。何も言わずに、、、出ていって。すぐに謝らなきゃって思ったんだけど、昨日の雨のせいで風邪引いちゃって。本当にごめんなさい」
「私、英子を傷つけちゃったから、私のせいで学校に来なかったらどうしようって。もう、私に会いたくないって、思うかもってものすごく不安だった」
「え!?そんなわけないじゃない!熱が出なけりゃ、学校に行ってすぐさま謝ろうと思ってたわよ。、、、まあ、もう熱は下がったんだけど。律くんから聞いてる、よね?」
「うん。本当に良かった。あ、これは英子の熱が下がってよかったってことね?」
「ふふ、わかってるわよ」
英子が明るく微笑んだ。
「あのさ、英子。英子に伝えたいことがあるの」
と私は自分の中学時代のことを話し出した。
親友との、過去も、全て。
「そうだったの、、、。なにも知らないで、ごめんなさい。本当にごめん」
「私こそ、話してなかったんだし。またヒナみたいになって、私が傷つけて、離れちゃうんじゃないかって。怖かったの。ごめん」
黙って英子は首を振ったあと、
「ねぇ、風奏。まだ、思い出せない?」
と静かに訊いた。
「うん、、、。ごめん」
「そっか。あたしも、話、するね。風奏はしてくれたんだし」
「英子の?嬉しい。聴きたい!」
にこやかな表情になって英子は頷いた。



