そうこうしばらく勉強していると
「ってかお前、これ中学の範囲じゃん。まじでバカだな」
頭上から聞き慣れた声が聴こえた。
「え?!、、、ち、千絃?」
「え?!、、、ちづくん?」
私と英子は見事に揃って声を上げた。
そして私と英子はお互いに目を見合わせた。
「知り合い?」
英子が首を傾げた。
「最近会った、ピアノがめっちゃ上手いって話してた、、、」
と千絃が口を挟んできた。
「あぁ!律くんにも話してた!、、、あ、ごめんなさい、風奏。あたしとちづくんあと今名前が出てきた律くん、中学が一緒なの」
戸惑う私に気づいて英子が説明した。
「ちづくん、珍しいね、教室にいるの」
「、、、別にいいだろ。たまには。ってかヒメと風奏、友達だったんだな」
ぶっきらぼうに英子の問いに答えた。
「ヒメ?」
友達、という単語にピクリと肩が揺れるがかろうじて耐えはぐらかす。
「は?姫路英子。苗字が姫路、だから、ヒメ。あとお姫様っぽい性格してるから。やっぱお前バカだな」
ご丁寧に説明ありがとうございます、と軽く会釈しながら私は英子の性格を思い返した。
真面目で頑張り屋。他人に優しく接する優等生、、、。
お姫様な性格がよくわからない。
偏見だけど、お姫様って言ったらわがままで自己中っていう性格しか思いつかない。
「お前、ヒメの何処がお姫様なんだろうって思ってるだろ?」
「あ!ちょっとちづくん!その話はもうやめて!」
途端に顔を赤くして英子が恥ずかしがった。
「また後で話してあげるよ」
ニヤリと口角を上げながら千絃が言った。
「風奏、聴いたらダメだからね!」
必死に私に縋り付く英子。
仲のいい2人にやり取りに思わず口が緩くなる。
「ふふ、、、あはは」
私は堪えきれず笑い声を上げた。
「え、、、?風奏?」
「あ、ごめん。2人のやり取りが、面白くて」
「風奏、、、」
まだ私がお腹を抱えていたら、英子が何故か目に涙を溜めていた。
「え?英子?どうしたの?」
「、、、うんん。あたしも笑い堪えてたら、涙が出てきたの」
英子は慌てたように、被りを振った。
「ごめん、あたし、お手洗い行ってくるわ」
私は焦って立ち上がったが、追いかけることができなかった。
「、、、私、何かしちゃったかな?」
誰ともなく呟く。
「いや、嬉しいだけ、だろ」
千絃がポツリと呟き返した。
「は?どういう意味?」
静かに英子の後ろ姿を見つめる千絃を見つめた。
「バーカ」
ちょっとは気づいてやれよ、とでも言いたげな顔でそう私に言い放った。
私はそんな表情の千絃を見て無性に悲しくなった。
と同時に胸の動悸が速くなるのが自分でもわかった。
「は?、、、風奏?どうしたんだよ?」
心配そうに千絃が身をかがめた。
「だい、、、じょうぶ、だから。心配、、しないで」
「大丈夫そうに見えねぇんだけど」
途切れ途切れに答えた私に尖った口調で返す。
そしてしばらくの沈黙の後、
「、、、行くぞ」
急に私の手を引いた。
「、、、何処に?」
「音楽室」
千絃の声はとても力強くて私を優しく包み込んだ。
何故か、音楽室に行けば大丈夫、とふと感じることができるような感じがした。
「ってかお前、これ中学の範囲じゃん。まじでバカだな」
頭上から聞き慣れた声が聴こえた。
「え?!、、、ち、千絃?」
「え?!、、、ちづくん?」
私と英子は見事に揃って声を上げた。
そして私と英子はお互いに目を見合わせた。
「知り合い?」
英子が首を傾げた。
「最近会った、ピアノがめっちゃ上手いって話してた、、、」
と千絃が口を挟んできた。
「あぁ!律くんにも話してた!、、、あ、ごめんなさい、風奏。あたしとちづくんあと今名前が出てきた律くん、中学が一緒なの」
戸惑う私に気づいて英子が説明した。
「ちづくん、珍しいね、教室にいるの」
「、、、別にいいだろ。たまには。ってかヒメと風奏、友達だったんだな」
ぶっきらぼうに英子の問いに答えた。
「ヒメ?」
友達、という単語にピクリと肩が揺れるがかろうじて耐えはぐらかす。
「は?姫路英子。苗字が姫路、だから、ヒメ。あとお姫様っぽい性格してるから。やっぱお前バカだな」
ご丁寧に説明ありがとうございます、と軽く会釈しながら私は英子の性格を思い返した。
真面目で頑張り屋。他人に優しく接する優等生、、、。
お姫様な性格がよくわからない。
偏見だけど、お姫様って言ったらわがままで自己中っていう性格しか思いつかない。
「お前、ヒメの何処がお姫様なんだろうって思ってるだろ?」
「あ!ちょっとちづくん!その話はもうやめて!」
途端に顔を赤くして英子が恥ずかしがった。
「また後で話してあげるよ」
ニヤリと口角を上げながら千絃が言った。
「風奏、聴いたらダメだからね!」
必死に私に縋り付く英子。
仲のいい2人にやり取りに思わず口が緩くなる。
「ふふ、、、あはは」
私は堪えきれず笑い声を上げた。
「え、、、?風奏?」
「あ、ごめん。2人のやり取りが、面白くて」
「風奏、、、」
まだ私がお腹を抱えていたら、英子が何故か目に涙を溜めていた。
「え?英子?どうしたの?」
「、、、うんん。あたしも笑い堪えてたら、涙が出てきたの」
英子は慌てたように、被りを振った。
「ごめん、あたし、お手洗い行ってくるわ」
私は焦って立ち上がったが、追いかけることができなかった。
「、、、私、何かしちゃったかな?」
誰ともなく呟く。
「いや、嬉しいだけ、だろ」
千絃がポツリと呟き返した。
「は?どういう意味?」
静かに英子の後ろ姿を見つめる千絃を見つめた。
「バーカ」
ちょっとは気づいてやれよ、とでも言いたげな顔でそう私に言い放った。
私はそんな表情の千絃を見て無性に悲しくなった。
と同時に胸の動悸が速くなるのが自分でもわかった。
「は?、、、風奏?どうしたんだよ?」
心配そうに千絃が身をかがめた。
「だい、、、じょうぶ、だから。心配、、しないで」
「大丈夫そうに見えねぇんだけど」
途切れ途切れに答えた私に尖った口調で返す。
そしてしばらくの沈黙の後、
「、、、行くぞ」
急に私の手を引いた。
「、、、何処に?」
「音楽室」
千絃の声はとても力強くて私を優しく包み込んだ。
何故か、音楽室に行けば大丈夫、とふと感じることができるような感じがした。



