その瞬間、私は息を呑んだ。
言葉に表せないような深い茜色に染まる山並。
西から東にかけてだんだん暗くグラデーションになっている空。
夕日の光に染められている連なった雲。
私の目にそれらの光景が飛び込んできた。
「な?空見れば、この空みたいに気持ちが晴れるだろ?」
調子の良い口調だがしみじみとした表情で空を眺めていた。
「うん」
私はまた視線を空に戻し、変わりゆく空のキャンバスを眺め続けた。
まるで、神様が空に色を塗り続け夜を描いているように感じた。
空の色は今も刻一刻と変化し続けている。
ゆっくり、ゆっくりと。
でも、着実に、夜へ向かっていくように深い色へと歩んでいた。
「俺、藍川千絃」
「え?」
ふと名前を言った男子、藍川千絃に驚いて振り向く。
「、、、お前、絶対俺のこと覚えてねぇだろうなって思って。音楽室でクラスメートっつったのに腑に落ちねぇような顔してたから」
「え?!」
名前認知してないの、バレてたんだ!
「ご、ごめん」
私は申し訳なくて頭を下げる。
「別に、いいよ。俺だって教室にあんまりいねぇから」
少し寂しそうに空を眺め続けながら千絃が続けた。
「え、、、?」
教室に来てない?ってこと、と首を傾げた。
「え、しか言わねじゃん。レパートリー少ねぇな、風奏」
「え?!な、名前?」
「ったく、、、だから、クラスメートっつってんだろ。知ってるよ、名前くらい」
「そ、そうだよね、、、」
私は視線を逸せる。
早退は多いけれど出席日数は千絃より多いはずだ。なのに名前、ましてや顔すらも覚えていない私と千絃を比べ気まずくなった。
言葉に表せないような深い茜色に染まる山並。
西から東にかけてだんだん暗くグラデーションになっている空。
夕日の光に染められている連なった雲。
私の目にそれらの光景が飛び込んできた。
「な?空見れば、この空みたいに気持ちが晴れるだろ?」
調子の良い口調だがしみじみとした表情で空を眺めていた。
「うん」
私はまた視線を空に戻し、変わりゆく空のキャンバスを眺め続けた。
まるで、神様が空に色を塗り続け夜を描いているように感じた。
空の色は今も刻一刻と変化し続けている。
ゆっくり、ゆっくりと。
でも、着実に、夜へ向かっていくように深い色へと歩んでいた。
「俺、藍川千絃」
「え?」
ふと名前を言った男子、藍川千絃に驚いて振り向く。
「、、、お前、絶対俺のこと覚えてねぇだろうなって思って。音楽室でクラスメートっつったのに腑に落ちねぇような顔してたから」
「え?!」
名前認知してないの、バレてたんだ!
「ご、ごめん」
私は申し訳なくて頭を下げる。
「別に、いいよ。俺だって教室にあんまりいねぇから」
少し寂しそうに空を眺め続けながら千絃が続けた。
「え、、、?」
教室に来てない?ってこと、と首を傾げた。
「え、しか言わねじゃん。レパートリー少ねぇな、風奏」
「え?!な、名前?」
「ったく、、、だから、クラスメートっつってんだろ。知ってるよ、名前くらい」
「そ、そうだよね、、、」
私は視線を逸せる。
早退は多いけれど出席日数は千絃より多いはずだ。なのに名前、ましてや顔すらも覚えていない私と千絃を比べ気まずくなった。



