「ね、今日の夜に学校の前に来れる?」
海に行った翌日の昼休みに、屋上へ行くと晴乃とユズルがいた。
まさか、と晴乃がしたいことを想像する。
「無理だろ。流石に、門を越えることができないと思うけど」
たぶん、晴乃は夜の学校へ行きたいんだろう。でも、学校の中に入るには門を超えなきゃいけな。門のカギは大前提で占められているし、登ろうとしても僕の身長まである。(僕の身長は、この前測ったけど160㎝だった)
「それでも!やんなきゃわかんないよ」
晴乃は拗ねた子供みたいに頬を膨らまし、僕を睨んでくる。その顔を見て、かわいいと思ってしまっている。
思ってはいけない感情のはずなんだ。だって、彼女はあと二日でこの世から消えると言っていた。
「あー、わかった。わかった。でも、何時に忍び込むんだ?」
「それが、晴乃の思う青春だからでしょ?」
屋上の柵にもたれかかっているユズルが言う。今日はやけに静かだなと思っていたけど、会話をする気はあるみたいだ。
「うん。学校に忍び込むってなんか青春っぽいじゃん」
「・・・晴乃とは一生分かり合えない気がする」
僕にとっての青春は、毎日笑って過ごせている日常だと思っている。だから、そんな青春がこないことは知っている。
「ねぇ、由季くん。サボらない?」
そんな提案をされるとは思わなかった。何なら、昨日もサボったから今日は授業にでるつもりだった。
「うわ、ここに不良高校せいがいる!」
ユズルがわざと僕らを指差しながら叫ぶ。それに対して晴乃は「そうですよーだ。私は不良高校生ですよー」と乗っかっている。
「この茶番っていつまでやるの?」
僕は呆れた目で彼らを見る。まさか、僕もやれとか言い出さないよな?
「もー、そんなこと言わないのー!」
「それじゃ、絶対にモテないでしょ?」
晴乃は怒って反論し、ユズルは面白いものをみるような僕が苦手な視線で眺めてくる。
「その顔やめろ、今すぐに」
え~、と不満そうに口を尖らすユズル。
「もうッ、サボらなくてもいいけどさ、今日の七時に門の前で集合ね?」
それだけ言って、晴乃は屋上から出て行ってしまった。
「なぁ、僕さ怒らせたのか?」
「さー?でも、面白いことにはなったね」
ユズルはニマニマと笑みを浮かべながら、晴乃の所へ行ってしまった。
「ほんと、いい性格してる」
誰もいない屋上で一人、呟く。
海に行った翌日の昼休みに、屋上へ行くと晴乃とユズルがいた。
まさか、と晴乃がしたいことを想像する。
「無理だろ。流石に、門を越えることができないと思うけど」
たぶん、晴乃は夜の学校へ行きたいんだろう。でも、学校の中に入るには門を超えなきゃいけな。門のカギは大前提で占められているし、登ろうとしても僕の身長まである。(僕の身長は、この前測ったけど160㎝だった)
「それでも!やんなきゃわかんないよ」
晴乃は拗ねた子供みたいに頬を膨らまし、僕を睨んでくる。その顔を見て、かわいいと思ってしまっている。
思ってはいけない感情のはずなんだ。だって、彼女はあと二日でこの世から消えると言っていた。
「あー、わかった。わかった。でも、何時に忍び込むんだ?」
「それが、晴乃の思う青春だからでしょ?」
屋上の柵にもたれかかっているユズルが言う。今日はやけに静かだなと思っていたけど、会話をする気はあるみたいだ。
「うん。学校に忍び込むってなんか青春っぽいじゃん」
「・・・晴乃とは一生分かり合えない気がする」
僕にとっての青春は、毎日笑って過ごせている日常だと思っている。だから、そんな青春がこないことは知っている。
「ねぇ、由季くん。サボらない?」
そんな提案をされるとは思わなかった。何なら、昨日もサボったから今日は授業にでるつもりだった。
「うわ、ここに不良高校せいがいる!」
ユズルがわざと僕らを指差しながら叫ぶ。それに対して晴乃は「そうですよーだ。私は不良高校生ですよー」と乗っかっている。
「この茶番っていつまでやるの?」
僕は呆れた目で彼らを見る。まさか、僕もやれとか言い出さないよな?
「もー、そんなこと言わないのー!」
「それじゃ、絶対にモテないでしょ?」
晴乃は怒って反論し、ユズルは面白いものをみるような僕が苦手な視線で眺めてくる。
「その顔やめろ、今すぐに」
え~、と不満そうに口を尖らすユズル。
「もうッ、サボらなくてもいいけどさ、今日の七時に門の前で集合ね?」
それだけ言って、晴乃は屋上から出て行ってしまった。
「なぁ、僕さ怒らせたのか?」
「さー?でも、面白いことにはなったね」
ユズルはニマニマと笑みを浮かべながら、晴乃の所へ行ってしまった。
「ほんと、いい性格してる」
誰もいない屋上で一人、呟く。



