「俺、初めて猫触るんだけど」

「それなら、おやつあげたら、きっと懐いてくれるはずだよ。1階にあるから取ってくるね」

「ありがとう、小春」

部屋にもっちーと楓くんを残して階段を降りた。

キッチンの引き出しを開けて、猫用のおやつを取り出していると……。

「小春」

ふいに話しかけられて振り向くとそこにはお母さんがいた。

「この前、一緒にプラネタリウムに行った子って、もしかして楓くん?」

あっ……。

その日、楓くんと言わずに友達と行くとしか伝えてなかった。

思わず視線を泳がす私を肯定と読み取ったのかお母さんは言った。

「やっぱり楓くんなのね。最近、小春が明るくなったと思ったのよ。これからも、楓くんと仲良くしなさいね」

お母さんの言葉に嬉しくなった。