君が導き出してくれた私の世界


「世の中には、いろんな人がたくさんいるのに、どうして受け入れてもらえないんだろうね」

まるで、大人びた発言をする凛ちゃん。

ーー『どんなに頑張っても、一部の人たちからは“障害者”って勝手に決めつけられて、挙げ句の果てにはいじめられる。本人はなんにも悪いことしてないのに。ほんと、生きづらい世の中だよな』

もしかして、楓くんはお母さんのことで凛ちゃんと同じようなことを感じていたのかな。

そう思っていると、キッチンからお菓子を並べたお皿を持った楓くんが現れた。

「なぁ、小春。このお菓子の中で好きなものとかあるか?」

さっきまでのしんみりとした雰囲気は一変して、その場が一気に明るくなる。

「私、このチョコクッキーが好き!」

「だから、お前には聞いてない」

「兄ちゃん、ひどーい!」

兄妹ケンカしている2人をおばさんは宥めていた。

一見、どこにでもある普通の家庭。

でも、その中でいろんな葛藤や悩みを抱えている。