「……やっぱり、そうなんだ。私の家庭は普通じゃないのか」
えっ……?
普通じゃない?
不思議に思っていると、凛ちゃんは神妙な面持ちで胸の内を明かしてくれた。
「私にとって、それが当たり前と思って過ごしてきたから。授業参観とかで友達の親とか見ると、手話なしで話していて、やっぱり私の家庭は普通じゃないのかって実感するんだ」
凛ちゃんの瞳は、なんだか寂しいような目をしていた。
「友達がいる前で、お母さんと手話で会話するの恥ずかしいと思うときあるもん。でも、手話でなければお母さんには言葉は通じないし。それに、お母さんが耳聞こえないって理由で、みんなから、からかわれることもあるんだ」
……からかわれる。
その気持ち、痛いほど分かるよ。
私もこれまでいろんな嫌なことを経験してきたから。
話すことができないだけで、クラスメイトからいじめられたりされたから。


