「いつまでも黙っているままではいかないのよ! 現実はそんなに甘くないんだから!」

お母さんの言葉が、まるでナイフのように私の心にグサグサと刺さる。

「……っ……」

お母さんに言いたい放題言われて、それに耐えるようにぐっと歯を食いしばる。

「それに、小春は今年で17歳でしょ! あと数年後には大人になるんだからもう少し進歩してよ!」

先生もお母さんも、なんでもかんでも年齢に置き換えないでよ。

“もう17歳だから”、“高校生だから”って、ああしなさいこうしなさいって言われるのはもう勘弁!

心の中でイライラが沸々と湧き立つと同時に、お母さんの苛立ちもヒートアップする。

「どれだけお母さんを悩ませれば気が済むの⁉︎」

そんなに責めないでよ!

お母さんの悩みの原因が全部私のせいだって、まるでそう言っているかのように聞こえてくる。

「話すことぐらい誰でもできることでしょ! なんで、小春は頑張って話そうとしないのよ⁉︎」

違う……!

今まで何回も何十回も何百回も話そうとした。

でも、そのたびに声が出なくて、やっぱり私はみんなとは違うんだなって思った。

なのに、私の気持ちなんてお構いなしに『話すことぐらいみんなできて当然』と言わないでよ!