「だからって、こんなことしていいって思ってんの?」
葉山くんがそう尋ねると、その子たちは反省するどころか開き直ってこう言った。
「別にいいじゃん。あの子、障害者なんでしょ? それに、葉山くんもあんな人と関わらない方がいいよ」
その子に同情するかのように、もう1人の子もうんうんと頷く。
……障害者。
その言葉に胸がかなり傷んだ。
日常の中で、たまにでくわすことがある。
“障害者”というレッテルを勝手に貼られ、それが一人歩きしてしまい、みんなから変な目で見られてしまうこと。
やっぱり、この世界は時に残酷で、なにも言えない私は無力だ。
2人の物言いに誰もが黙り込んでいる中……。
「俺は……」
ふと声が聞こえて葉山くんを見ると、彼の手が怒りを込めているかのようにぐっと握りしめているのが見えた。


