教室の隅にいたのは、例の女子2人組。

そのうちの1人が弁当を手にしていて、弁当の中身をゴミ箱に捨てているところだった。

なんだかその弁当箱に見覚えがある。

……って、もしかして、私の弁当⁉︎

慌てて自分の席の方へ目を向けると、そこには机の上にバッグが置いてあってファスナーが開いていた。

私のお昼ご飯が……!

そう分かった瞬間、一気に顔が青褪めて、体もガチガチに固まってしまう。

それに緘動も加わって、この場から逃げることもできずに、まるで生きた化石のようにじっと佇む。

そこへ、そんな2人に話しかけた人物がいた。

「なにしてんの?」

購買に行ったのか手には袋を持った葉山くん。

2人は葉山くんに振り向くが、扉に立ったままの私には気付いてなさそう。

「あの子なに1つ表情変えないから、なにしてもいいかなって」

その言葉に、胸がチクリと痛む。

「そうそう。全然話さないし口ある意味ないんじゃないのかってぐらい」

また、チクリ……。