それからというものの時間が経ち、4時間目の理科の授業が終わった。
理科室から教室へと向かうが歩くスピードは他の人たちより一段と遅い。
次の授業がある時は頑張って足を速めるが、別に今は昼休みに入ったから急ぐ必要はない。
のそのそと歩く私の横を、いろんな人が通り過ぎる。
購買に行く人やパンを腕に抱えて教室に戻る人、弁当を手に友達がいる隣の教室に行く人など。
もし、私が場面緘黙症でなければ、普通の人たちと変わらない日々を過ごせていたのかな。
そんなこと考えては、こんな自分が物凄く嫌になってくる。
やっとの思いで教室に着いた頃には、みんな友達と弁当を食べていた。
でも、なんだかただならぬ暗い雰囲気が漂う。
喋り声があまり聞こえなくて、みんなはある一点を見ていた。
そして、何人かは私が来たのを見ると罰が悪そうに視線を外した。
えっ、な、なに……?
不安になって、思わずその場に立ち止まる。
ほとんどの人が見ている場所を私も一緒になって見てみると、そこには異様な光景だった。


