学校生活はとても楽しくて充実した日々を送っている。

「じゃあ、私、部活あるからまた明日ね!」

「うん、また明日」

放課後、日和ちゃんと手を振って別れた。

彼女はテニス部に所属していて、最後の高校総体に向けて毎日練習の日々。

部活に受験勉強にと両立するのはとても大変だと思うけど、それを難なくこなす日和ちゃんはとても生き生きとしている。

1人ゆっくり帰る支度を済ませると教室を出た。

「あっ、春ちゃんだ!」

突然、後ろから呼ぶ声が聞こえて振り返るとそこには唯花ちゃんがいた。 

「一緒に帰ろう!」

唯花ちゃんの誘いに笑顔で頷く。

クラスは別々で会う機会は減ってしまったけど、見かける度に声をかけてくれる唯花ちゃん。

友情という名の絆は薄れておらず、休日には一緒に勉強をする仲だ。

「は〜ぁ、なんか寂しいな」

学校を出た途端、唯花ちゃんは溜め息をついた。

「どうしたの?」

「だってさ、高校卒業したらみんなとバラバラになってしまうじゃん。春ちゃんとも離ればなれになってしまうし」

「そう、だね……」

2人してしんみりとした気持ちになる。

まだまだ学校生活は残っているけれど、高校卒業したら、みんな別々の道へと進む。

私は隣町の心理学科がある大学に進学する予定。

「唯花ちゃんは、短大に行くんだよね?」

「うん。行きたい短大はファッション学科があって、そこでもっと勉強して、将来、ファッションデザイナーになりたいんだ」

「凄く素敵な夢だね、応援する!」

「ありがとう、春ちゃん!」

それからも他愛ない話を交わして、分かれ道に着くなり唯花ちゃんと笑顔で別れた。