「……わ……た、し」

だって、私……。

胸の中にある想いを必死に掻き集めて言葉にする。

「私も、楓くんのことが、好きだよ」

そう想いを伝えた途端、スッと心が軽くなった。

喉の奥に引っかかっていた声も徐々に症状が和らいで、今ではすんなり声が出せた。

まるで、声が楓くんを覚えているかのように。

「今日、また学校行くことができたのは楓くんのおかげだよ。学校終わり家に来てくれてありがとう。メッセージも嬉しかったよ。それに、みんなに私のこと説明してくれてありがとう」

「えっ、待って、それ有野から聞いたのか?」

「うん」

「まったく、恥ずかしいから小春には言うなって言ったのに……」

みるみるうちに頬を赤らめては、気恥ずかしそうに顔を背ける楓くん。

初めて見るその楓くんの姿はなんだか可愛く思えるし、そんな彼を大好きだとも思う。

「ありがとう、楓くん」

「お、おう」

楓くんは、未だ恥ずかしそうに、でも私を見るなり嬉しそうに返事をした。