その日の昼休み。

誰も友達がおらず教室で1人で弁当を食べるなんて、周りの目を気にしてしまってできない私はいつものように屋上にいた。

教室は賑やかすぎて息苦しいけど、ここは外の新鮮な空気が体内に送り込まれてくるからなんだか気持ちいい。

段差に腰掛けて、長閑な町並みの景色を眺めながら、お母さんが作ってくれた弁当を食べる。

本当は友達と一緒に食べて、楽しくお喋りを交わしたい。

そう思うのに、理想の自分とは程遠くて、現実の自分に幻滅する。

1人虚しく弁当を食べ終えると、空を見上げた。

昨日の晴天とは違って、今日は雲に覆われていてどんよりとしていた。

天気予報では、夜にかけて大雨が降ると言っていたから、星空は見えないか……。

そう思うと気分までなんだかどんよりとしてしまう。

明日はいい天気にな〜れ!

そう願って声に出そうとする。

「……」

なのに、ここは学校ということもあって声がでなくて、ただただ声にならなかった言葉が風にさらっていった。