高まる胸の鼓動とは裏腹に、学校に着くなり、より一層喉がぎゅっと詰まっていく感覚がした。
頑張って歩を進めていたけれど、教室の前で思わず立ち止まってしまう。
……怖い。
みんなは、どんな反応をするのか。
不登校だった私を受け入れてもらえるのだろうか?
きっと、中には良く思わない人もいるかもしれない。
不安に苛まれていると、楓くんがそっと背中に手を添えてくれた。
「小春。きっと、大丈夫だから」
楓くんの優しさがひしひしと伝わってくる。
ここまで頑張って歩いてきたから、今更引き返したくない。
1歩勇気を踏み出して、扉を開けた。
その途端、みんなの視線が一気に私に集まった。
……こ、怖い。
みんなからの視線に耐えられなくなって下を向く。
不安と緊張のレベルがマックスになる。
そんな中、明るい声が飛んできた。
「あっ、小春ちゃん来た!」
その声は唯花ちゃんで、俯いていた顔を上げると……。


