その後も、無駄に長い時間だけが過ぎて、数日経っても、私はまだ部屋から出ることができずにいた。
今まで毎日の習慣にするほどあんなに好きだった星空も眺めることもしなくなって、外の新鮮な空気も吸っていない。
1日中気分が落ち込んで、なんにも楽しめない。
多分、今の私は鬱の状態に近いだろう。
この前、病院の通院日だったのにキャンセルしてしまった。
学校どころか、外に出ることすら、もう怖くなってしまっている。
そこへ、テーブルに置いていたスマホが音を立て、画面が明るくなった。
通知を見てみると、楓くんからのメッセージ。
【小春、元気か?】
時間的に2時間目終わりの休み時間に送ってきてくれたのだろう。
楓くんの問いに、“元気じゃないよ”と心の中で答えた。
彼に返信を送るどころか、トーク画面を開かずに通知画面だけを見ている。
楓くんは、学校の時や休みの日にも、毎日欠かさず連絡をくれる。
【おはよう】と楓くんからのメッセージで1日が始まったことを告げ、【おやすみ】で今日が終わったことを知る。
体育の授業でみんなでドッジボールをしたこと、働いている喫茶店で女性のお客さんが抱っこしていた赤ちゃんが可愛かったことなど。
その日あった出来事を私に伝えてくれる。
唯花ちゃんからも連絡をもらうことがあるが、返信を送ることができないままだ。


