6時間目、ホームルーム。修学旅行について。
担任の木村彰が前の扉から入って来ると、伊藤真帆が小さな紙切れを持ってきて教卓に上げた。
「おう、これで全員出たな。C組は全員出席だ。」
イェーイ!
どこからともなく歓声が上がる。
木村が学級委員の佐久間志保と渡辺美久にA4の紙を渡す。上には「自主研修班割」と書かれていて、真ん中に空欄の表が書いてある。2枚目の紙には「ホテル部屋割り」3枚目には「ホームステイ割」と書かれている。
佐久間は「はいはい」とサイレント返事をすると、教卓の真ん中に立ってクラスを指揮し始める。
「今日は自主研修の班分けをします。C組は35人なので5人班を7つ作ります。」
「あと、ホテル割とホームステイ割もあるんだけど、それは班をもとに決めようかと思ってるから、まずは班を決めましょう。」
渡辺の提案にみんなうなずいたり「うん」と言ったりしている。
「では、班に分かれてください。」
佐久間の号令でみんなワッと立ち上がって班を作る。
「カノンちゃん、どうする? 5人って難しいよね。」
合唱部の音羽ユメが同じく合唱部の鈴村カノンに近づいてきた。この2人、部活でもクラスでも常に2人でいる。そして、このC組、2人組が非常に多いのだ。それで奇数の5人班を作ろうとすると、どうしてもアマリが出てしまう。
ほら、そうこうしているうちに、5人になれたところはどんどん黒板に班分けを書いていく。残るは4人であと1人欲しいところが2つとユメとカノンのペア。
「うちら分かれれば、班決まるよね。」
「そうだけど、分かれたくないじゃん。」
時間はもう10分しか残っていない。この後、ホテルもホームステイも決めなくてはいけないのに。決まった25人が席に着く中、10人が教卓周りに残される。その中でも、この話し合いの行方はユメとカノンに託され、無言の視線が降り注がれている。
「でも、もう決めないと。うちらは遠征もあるから、また一緒に泊まれるよ。」
「うん、仕方ないけど。」
カノンがユメを説得して、班分けはなんとか終着点を見出したかに見えた。
「待って、そんなのダメだよ。私が動く。」
教卓の窓側にいた佐久間が机の間をぬって、廊下側に移動した。
「7班には渡辺さんも居るし、私、日野さんとも回りたいなって話してたから。」
「そうだけど、本当にいいの?」
廊下側の7班にいる日野結菜がハの字まゆで佐久間に聞く。他の7班の2人も心配そうに見つめている。その裏で、ユメとカノンは窓側にそれとなく移動する。
窓側6班の面々は2年生になっても話したことが無いような、2人にはにつかわない体育会系の面々だけど、海外に行くには頼もしい、英語が話せる3人組だった。
「じゃあコレで決まりね。あとはホテルとホームステイ割、班ごとに決めてください。」
ホテルとホームステイは各班2・3に分かれることになっていた。6班はもとの3人とユメカノンの2人でキレイに分かれることとなり、秒で決まった。
「カノンちゃん、よかったね! ずっと一緒に回れるよ。」
「うん、よかった。」
ユメの話にから返事をするカノンの視線は、2・3にどう分かれるか難航している7班の佐久間を向いていた。
担任の木村彰が前の扉から入って来ると、伊藤真帆が小さな紙切れを持ってきて教卓に上げた。
「おう、これで全員出たな。C組は全員出席だ。」
イェーイ!
どこからともなく歓声が上がる。
木村が学級委員の佐久間志保と渡辺美久にA4の紙を渡す。上には「自主研修班割」と書かれていて、真ん中に空欄の表が書いてある。2枚目の紙には「ホテル部屋割り」3枚目には「ホームステイ割」と書かれている。
佐久間は「はいはい」とサイレント返事をすると、教卓の真ん中に立ってクラスを指揮し始める。
「今日は自主研修の班分けをします。C組は35人なので5人班を7つ作ります。」
「あと、ホテル割とホームステイ割もあるんだけど、それは班をもとに決めようかと思ってるから、まずは班を決めましょう。」
渡辺の提案にみんなうなずいたり「うん」と言ったりしている。
「では、班に分かれてください。」
佐久間の号令でみんなワッと立ち上がって班を作る。
「カノンちゃん、どうする? 5人って難しいよね。」
合唱部の音羽ユメが同じく合唱部の鈴村カノンに近づいてきた。この2人、部活でもクラスでも常に2人でいる。そして、このC組、2人組が非常に多いのだ。それで奇数の5人班を作ろうとすると、どうしてもアマリが出てしまう。
ほら、そうこうしているうちに、5人になれたところはどんどん黒板に班分けを書いていく。残るは4人であと1人欲しいところが2つとユメとカノンのペア。
「うちら分かれれば、班決まるよね。」
「そうだけど、分かれたくないじゃん。」
時間はもう10分しか残っていない。この後、ホテルもホームステイも決めなくてはいけないのに。決まった25人が席に着く中、10人が教卓周りに残される。その中でも、この話し合いの行方はユメとカノンに託され、無言の視線が降り注がれている。
「でも、もう決めないと。うちらは遠征もあるから、また一緒に泊まれるよ。」
「うん、仕方ないけど。」
カノンがユメを説得して、班分けはなんとか終着点を見出したかに見えた。
「待って、そんなのダメだよ。私が動く。」
教卓の窓側にいた佐久間が机の間をぬって、廊下側に移動した。
「7班には渡辺さんも居るし、私、日野さんとも回りたいなって話してたから。」
「そうだけど、本当にいいの?」
廊下側の7班にいる日野結菜がハの字まゆで佐久間に聞く。他の7班の2人も心配そうに見つめている。その裏で、ユメとカノンは窓側にそれとなく移動する。
窓側6班の面々は2年生になっても話したことが無いような、2人にはにつかわない体育会系の面々だけど、海外に行くには頼もしい、英語が話せる3人組だった。
「じゃあコレで決まりね。あとはホテルとホームステイ割、班ごとに決めてください。」
ホテルとホームステイは各班2・3に分かれることになっていた。6班はもとの3人とユメカノンの2人でキレイに分かれることとなり、秒で決まった。
「カノンちゃん、よかったね! ずっと一緒に回れるよ。」
「うん、よかった。」
ユメの話にから返事をするカノンの視線は、2・3にどう分かれるか難航している7班の佐久間を向いていた。



