
- 作品番号
- 1746771
- 最終更新
- 2025/03/02
- 総文字数
- 7,252
- ページ数
- 1ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 5
- ランクイン履歴
総合15位(2025/03/15)
青春・恋愛8位(2025/03/15)
百人一首を現代語訳し、センチメンタルな詩にしてみました。
全部で46作の詩が収録されています。
※表紙イラスト/ノーコピーライトガール様(https://fromtheasia.com/illustration/nocopyrightgirl)
▶泣きながら誓った約束
契りきなかたみに袖をしぼりつつ
末の松山 波越さじとは(42 清原元輔)
泣きながら誓った約束は、
すべて無効になったんだね。
普遍的にしたい気持ちは、
どんな困難も越えられると思ったけど、
今、涙が溢れているのは、どうしてだろう。
▶消えたときめきは、取り戻せない
あひ見てののちの心にくらぶれば
昔は物を思はざりけり(43 権中納言敦忠)
ようやく会えたのに、
会ったこと自体に満足しちゃって、
会う前の君へのときめきは、
どうして消えてしまうんだろう。
手に入れるのは、難しくて、
仲良くなるのは、簡単なのに。
▶知られたくないのに、顔に出てたのかな
しのぶれど色に出でにけり わが恋は
物や思ふと人の問ふまで(40 平兼盛)
「物思いにふけってどうしたの?」
って君から聞かれたけど、
君に本当のことなんて、まだ伝えられないよ。
だって、私は、君に恋してるんだから。
▶寂しさをプレイリストに追加して
あはれともいふべき人は思ほえで
身のいたづらに なりぬべきかな(45 謙徳公)
ひとりきりのまま、悲しみの底に引きずり込まれそうだよ。
寂しさはしばらくの間は続くだろうから、
Spotifyで失恋のプレイリストを流して、
君のことを忘れる努力をするね。
▶余命は青色
あらざらむこの世のほかの思ひ出に
今ひとたびの逢ふこともがな(56 和泉式部)
私の余命は、もうすぐそこなんだって。
他人事に聞こえるくらい、実感がないよ。
このまま、病室のベッドから、
夏の青色な街を眺め続けるのは、もう嫌だよ。
命が消えてしまう前に、もう一度、君に会いたい。