「はい、これで終わりです。
この軟膏は毎日、塗ってくださいね」
私の手を取り、船津さんが入れ物をのせる。
それは同情しているように見えた。
身支度ができたあとは、お茶が淹れられる。
「取り寄せたばかりの、英国王室御用達のお茶です」
カップに琥珀色の液体が注がれ、いい匂いがあたりに漂いだした、が。
「わ、私に王室御用達のお茶とか、もったいないです!
私は船津さんと田沢さんの飲んだ、お茶の出がらしでももったいないくらいです」
再び私が恐縮し、彼女たちはまた顔を見あわせた。
「……船津さん。
涼音さま、私たちの飲んだ出がらしでももったいないって言っているように聞こえたんですが、聞き間違いですよね?」
「きっとそうよ。
そうに違いないわ」
ふたりはなにやらこそこそと言っているが、全部丸聞こえです。
しかし、この状況、なんか覚えがある。
そういえば昨日も私の反応に、旦那様と菰野さんも同じように話していた。
「せっかく淹れたんですから、冷めないうちにどうぞ」
「……はい」
なんとなく彼女たちが怒っている気がして、カップを手に取る。
この軟膏は毎日、塗ってくださいね」
私の手を取り、船津さんが入れ物をのせる。
それは同情しているように見えた。
身支度ができたあとは、お茶が淹れられる。
「取り寄せたばかりの、英国王室御用達のお茶です」
カップに琥珀色の液体が注がれ、いい匂いがあたりに漂いだした、が。
「わ、私に王室御用達のお茶とか、もったいないです!
私は船津さんと田沢さんの飲んだ、お茶の出がらしでももったいないくらいです」
再び私が恐縮し、彼女たちはまた顔を見あわせた。
「……船津さん。
涼音さま、私たちの飲んだ出がらしでももったいないって言っているように聞こえたんですが、聞き間違いですよね?」
「きっとそうよ。
そうに違いないわ」
ふたりはなにやらこそこそと言っているが、全部丸聞こえです。
しかし、この状況、なんか覚えがある。
そういえば昨日も私の反応に、旦那様と菰野さんも同じように話していた。
「せっかく淹れたんですから、冷めないうちにどうぞ」
「……はい」
なんとなく彼女たちが怒っている気がして、カップを手に取る。



