なにか言いかけたたまま、旦那様が止まる。
「いいんだ。
今日からここは涼音の部屋だから、好きに使え」
しかしすぐに、にっこりと私に笑いかけてきた。
「ありがとうございます……!」
こんな立派な部屋がもらえるなんて夢みたいだ。
いや、やはり夢を見ているに違いない。
きっと昨晩、旦那様に噛みつかれて気を失ってからずっと、私は眠り続けているのだろう。
「とりあえず今日から、やつがれたちは夫婦というわけだが」
旦那様はソファーに腰を下ろし、その隣に私に座るように促してくる。
おそるおそる、その隣に私も腰を下ろした。
「だからといってなにかが変わるわけでもない」
変わらないと旦那様は言っているが、ここに連れてこられて同情からとはいえ優しくされただけで私にとって劇的な変化だ。
「やつがれは毎日仕事がある。
公通にいろいろと押しつけられるんだ」
彼は本当に嫌そうに顔を歪めた。
「押しつけられる、ですか」
「そうだ。
面倒臭い案件はやつがれに押しつけてくる。
そのせいでこのところ毎晩、夜遅くまで働かされている」
昨晩、あんなところにいたのは仕事中だったのか。
「いいんだ。
今日からここは涼音の部屋だから、好きに使え」
しかしすぐに、にっこりと私に笑いかけてきた。
「ありがとうございます……!」
こんな立派な部屋がもらえるなんて夢みたいだ。
いや、やはり夢を見ているに違いない。
きっと昨晩、旦那様に噛みつかれて気を失ってからずっと、私は眠り続けているのだろう。
「とりあえず今日から、やつがれたちは夫婦というわけだが」
旦那様はソファーに腰を下ろし、その隣に私に座るように促してくる。
おそるおそる、その隣に私も腰を下ろした。
「だからといってなにかが変わるわけでもない」
変わらないと旦那様は言っているが、ここに連れてこられて同情からとはいえ優しくされただけで私にとって劇的な変化だ。
「やつがれは毎日仕事がある。
公通にいろいろと押しつけられるんだ」
彼は本当に嫌そうに顔を歪めた。
「押しつけられる、ですか」
「そうだ。
面倒臭い案件はやつがれに押しつけてくる。
そのせいでこのところ毎晩、夜遅くまで働かされている」
昨晩、あんなところにいたのは仕事中だったのか。



