「おかえりなさいませ。
旦那さま、菰野さま」
ちょうど通りかかった女性が声をかけてくる。
彼女は黒の洋服姿で、白のエプロンをしていた。
しかし、〝旦那さま〟って?
この屋敷の主人は旦那様なの?
「帰った。
お茶の準備を頼めるか?
菰野の分とあわせて三人分」
「え、僕はもう帰りますよ」
少し嫌そうに菰野さんは断っている。
「もう少しいればいいだろ。
公通にビスケットをもらったんだ」
「あ、じゃあもう少し」
ビスケットがあると聞いた途端、菰野さんの顔が嬉しそうになった。
旦那様は遠慮なく屋敷の中を進んでいき、リビングと思われる部屋に置かれているソファーに座った。
どうしていいのかわからなくて戸惑っていたら手首を掴まれ、強引に隣に座らされる。
菰野さんは斜め前に置かれている、一人がけのソファーに勧められなくても座っていた。
「さてと。
改めて自己紹介しよう。
やつがれは白珱。
異能特別部隊の長官、綱木公通に使役されている鬼だ」
「鬼……」
わざわざそう説明されなくても、額から生える角がそれを証明していた。
旦那さま、菰野さま」
ちょうど通りかかった女性が声をかけてくる。
彼女は黒の洋服姿で、白のエプロンをしていた。
しかし、〝旦那さま〟って?
この屋敷の主人は旦那様なの?
「帰った。
お茶の準備を頼めるか?
菰野の分とあわせて三人分」
「え、僕はもう帰りますよ」
少し嫌そうに菰野さんは断っている。
「もう少しいればいいだろ。
公通にビスケットをもらったんだ」
「あ、じゃあもう少し」
ビスケットがあると聞いた途端、菰野さんの顔が嬉しそうになった。
旦那様は遠慮なく屋敷の中を進んでいき、リビングと思われる部屋に置かれているソファーに座った。
どうしていいのかわからなくて戸惑っていたら手首を掴まれ、強引に隣に座らされる。
菰野さんは斜め前に置かれている、一人がけのソファーに勧められなくても座っていた。
「さてと。
改めて自己紹介しよう。
やつがれは白珱。
異能特別部隊の長官、綱木公通に使役されている鬼だ」
「鬼……」
わざわざそう説明されなくても、額から生える角がそれを証明していた。



