「はーい、ではいきまーす」
すぐに撮影がされたが、この分ではできあがった写真に笑顔のふたりのあいだで菰野さんは仏頂面で写っていそうだ。
「旦那様と菰野さんのおふたりでも撮ってください」
「それもそうだな」
「僕は嫌ですよ!」
乗り気の旦那様とは反対に、やはり菰野さんは嫌そうだ。
それを笑いながら船津さんたちと三人でふたりを立たせ、写真を撮ってもらう。
最後は全員で撮ってもらった。
「これで私たちはずっと一緒ですね」
「そうだな」
嬉しそうに旦那様が笑う。
私たちは年を取ってそのうち死んでしまうが、旦那様は違う。
妖は永遠ともいえる命があり旦那様自身、いつ自分の命が絶えるのかわからないのだと言っていた。
けれどこれで私たちは写真に姿を残し、死んだあとも旦那様のお傍にいられる。
写真撮影が終わり、取った仕出し弁当で花見を兼ねたささやかな祝宴となった。
「菰野さま。
あーん」
「菰野さま。
お注ぎしますわ」
菰野さんはいつものように田沢さんから煮物を、船津さんからはお銚子を差し出されている。
「ええいっ、ふたり同時とか無理に決まってるだろ!」
すぐに撮影がされたが、この分ではできあがった写真に笑顔のふたりのあいだで菰野さんは仏頂面で写っていそうだ。
「旦那様と菰野さんのおふたりでも撮ってください」
「それもそうだな」
「僕は嫌ですよ!」
乗り気の旦那様とは反対に、やはり菰野さんは嫌そうだ。
それを笑いながら船津さんたちと三人でふたりを立たせ、写真を撮ってもらう。
最後は全員で撮ってもらった。
「これで私たちはずっと一緒ですね」
「そうだな」
嬉しそうに旦那様が笑う。
私たちは年を取ってそのうち死んでしまうが、旦那様は違う。
妖は永遠ともいえる命があり旦那様自身、いつ自分の命が絶えるのかわからないのだと言っていた。
けれどこれで私たちは写真に姿を残し、死んだあとも旦那様のお傍にいられる。
写真撮影が終わり、取った仕出し弁当で花見を兼ねたささやかな祝宴となった。
「菰野さま。
あーん」
「菰野さま。
お注ぎしますわ」
菰野さんはいつものように田沢さんから煮物を、船津さんからはお銚子を差し出されている。
「ええいっ、ふたり同時とか無理に決まってるだろ!」



