働かない頭を叱咤し、必死に考える。
ふと、戦闘中にできた擦り傷が目に入った。
……やつがれの血を飲ませれば。
浮かんできた考えを、頭を振って打ち消す。
確かに治癒効果はあるが、同時に人間にとっては毒。
飲めば、死んでしまう。
しかし、このままではみすみす涼音を死なせるだけだ。
やつがれの血を飲まねば確実に、死ぬ。
しかし飲めば――万に一つでも助かるかもしれない。
爪で手首を切り、涼音の口もとに当てる。
けれど唇を濡らすばかりで彼女は飲んでくれない。
「くそっ」
流れる血を吸い、涼音に口づけた。
なるべく喉深くまで流し込む。
数度、それを繰り返すと僅かだが彼女の喉が動いた。
「涼音。
……涼音!」
祈る思いで彼女を見つめる。
――と。
いきなりかっ!と目が開いた。
「涼音!」
助かったのだと喜んだのも束の間、彼女は激しく咳き込みだした。
咳き込みながらぼたぼたと血を吐く。
……ああ。
ダメだったのか。
深い絶望がやつがれを襲ってくる。
そのうち咳も止まり血も吐かなくなった。
ふと、戦闘中にできた擦り傷が目に入った。
……やつがれの血を飲ませれば。
浮かんできた考えを、頭を振って打ち消す。
確かに治癒効果はあるが、同時に人間にとっては毒。
飲めば、死んでしまう。
しかし、このままではみすみす涼音を死なせるだけだ。
やつがれの血を飲まねば確実に、死ぬ。
しかし飲めば――万に一つでも助かるかもしれない。
爪で手首を切り、涼音の口もとに当てる。
けれど唇を濡らすばかりで彼女は飲んでくれない。
「くそっ」
流れる血を吸い、涼音に口づけた。
なるべく喉深くまで流し込む。
数度、それを繰り返すと僅かだが彼女の喉が動いた。
「涼音。
……涼音!」
祈る思いで彼女を見つめる。
――と。
いきなりかっ!と目が開いた。
「涼音!」
助かったのだと喜んだのも束の間、彼女は激しく咳き込みだした。
咳き込みながらぼたぼたと血を吐く。
……ああ。
ダメだったのか。
深い絶望がやつがれを襲ってくる。
そのうち咳も止まり血も吐かなくなった。



