そして奴の口車に乗り、一緒に事を起こした奴らも阿呆だ。
それが理由で命を絶たれるのだとなぜわからない?
「ええいっ、私の相手はオマエではないっ!」
伯爵の目が、公通へと向く。
彼の向こうに驚愕の表情で立ち尽くしている涼音が見えた。
「綱木。
私の邪魔をするなっ!」
炎龍が公通へと襲いかかる。
……涼音。
来るな、こちらに来るな。
逃げろ。
そう念じながら炎龍をたたき切る。
もういい加減に無益な争いはやめてくれ。
今なら許しを請えば公通は恩赦を与えてくれるかもしれない。
そうでないと涼音が、涼音が――。
『国家転覆を企んだ大罪人、蒿里伯爵とその一族は皆殺しだ。
例外は認めない』
無感情に公通がやつがれに命じる。
『涼音は、涼音はどうなるのだ!
あやつは蒿里の家から縁を切られている!』
『例外は認めないと言ったはずだ』
うっすらと公通が笑い、魂のそこから冷えた。
ならばなぜ、やつがれと涼音の結婚を認めた?
こうやってやつがれが苦しむ様を愉しむためか。
『……ああ』
打ちひしがれるやつがれを公通が振り返る。
『条件によっては涼音さんを生かしてやってもいい』
それが理由で命を絶たれるのだとなぜわからない?
「ええいっ、私の相手はオマエではないっ!」
伯爵の目が、公通へと向く。
彼の向こうに驚愕の表情で立ち尽くしている涼音が見えた。
「綱木。
私の邪魔をするなっ!」
炎龍が公通へと襲いかかる。
……涼音。
来るな、こちらに来るな。
逃げろ。
そう念じながら炎龍をたたき切る。
もういい加減に無益な争いはやめてくれ。
今なら許しを請えば公通は恩赦を与えてくれるかもしれない。
そうでないと涼音が、涼音が――。
『国家転覆を企んだ大罪人、蒿里伯爵とその一族は皆殺しだ。
例外は認めない』
無感情に公通がやつがれに命じる。
『涼音は、涼音はどうなるのだ!
あやつは蒿里の家から縁を切られている!』
『例外は認めないと言ったはずだ』
うっすらと公通が笑い、魂のそこから冷えた。
ならばなぜ、やつがれと涼音の結婚を認めた?
こうやってやつがれが苦しむ様を愉しむためか。
『……ああ』
打ちひしがれるやつがれを公通が振り返る。
『条件によっては涼音さんを生かしてやってもいい』



