そんな気がしてならない。
情報を知る人間は少なければ少ないほうがいいので、やつがれひとりで動く。
それに菰野はできるだけ巻き込みたくなかった。
あやつに汚れ仕事で手を汚させたくない。
汚れるのは鬼である、やつがれだけでいい。
捕まえた反乱分子から必ず情報を引き出せと公通に命じられた。
あんな惨いことはやつがれはやりたくなかった。
しかし、真名を使って命じられれば逆らえない。
毎晩、疲弊して帰ってくるやつがれを涼音が癒やしてくれた。
それが唯一の心の安らぎだった。
本部に集まった人間は菰野と同じなにも知らないので皆、不思議そうだった。
事前に掴んでいた計画の時間になり、一報が入る。
「帝都各地の主要機関が何者かによって襲撃された模様!」
ざわつく場内を静めるようにどん!と公通がサーベルの鞘で床をついた。
「敵は蒿里伯爵!
今より奴の首を討ち取る!」
朗々とした公通の声が響き渡る。
「うぉーっ!」
次の瞬間、鬨の声が上がりにわかに隊員が活気づいた。
そのなかでひとり、菰野だけは泣き出しそうな顔をしていた。
公通の指示で次々に隊員たちが出ていく。
情報を知る人間は少なければ少ないほうがいいので、やつがれひとりで動く。
それに菰野はできるだけ巻き込みたくなかった。
あやつに汚れ仕事で手を汚させたくない。
汚れるのは鬼である、やつがれだけでいい。
捕まえた反乱分子から必ず情報を引き出せと公通に命じられた。
あんな惨いことはやつがれはやりたくなかった。
しかし、真名を使って命じられれば逆らえない。
毎晩、疲弊して帰ってくるやつがれを涼音が癒やしてくれた。
それが唯一の心の安らぎだった。
本部に集まった人間は菰野と同じなにも知らないので皆、不思議そうだった。
事前に掴んでいた計画の時間になり、一報が入る。
「帝都各地の主要機関が何者かによって襲撃された模様!」
ざわつく場内を静めるようにどん!と公通がサーベルの鞘で床をついた。
「敵は蒿里伯爵!
今より奴の首を討ち取る!」
朗々とした公通の声が響き渡る。
「うぉーっ!」
次の瞬間、鬨の声が上がりにわかに隊員が活気づいた。
そのなかでひとり、菰野だけは泣き出しそうな顔をしていた。
公通の指示で次々に隊員たちが出ていく。



