突発的な事故で旅行が終わってしまった翌日、旦那様は綱木長官に文句を言った。
しかし。
『言ってなかったっけ?』
……と、華麗にすっとぼけられたそうだ。
そして一週間の休暇だったはずなのに、新たな仕事を押しつけられている。
きっと始めからそのつもりだったに違いない。
「帰ったら祝言の相談をしよう」
「はい」
出かける準備をしながら旦那様に言われ、ほのかに頬が熱くなる。
桜の時期になったら、ささやかな祝言を挙げようと旅行から帰ってきて旦那様が言ってくれた。
「では、いってくる」
「いってらっしゃいませ」
仕事へ行く旦那様が私の額に口づけを落とす。
それを呆れるように菰野さんが見ているのも、我が家の日常だ。
日々は穏やかに過ぎていく。
……ううん。
夜遅くになり、玄関が開いた音がしてそっと部屋を出た。
「起こしてしまったか?」
帰ってきていた旦那様の顔が申し訳なさそうになる。
「いえ。
本を読んでいたらつい、夜更かししてしまって」
それに気にしなくていいと笑顔で答える。
本を読んでいたのは本当だが、旦那様が心配で眠れなかった。
「補充、なさいますか」
しかし。
『言ってなかったっけ?』
……と、華麗にすっとぼけられたそうだ。
そして一週間の休暇だったはずなのに、新たな仕事を押しつけられている。
きっと始めからそのつもりだったに違いない。
「帰ったら祝言の相談をしよう」
「はい」
出かける準備をしながら旦那様に言われ、ほのかに頬が熱くなる。
桜の時期になったら、ささやかな祝言を挙げようと旅行から帰ってきて旦那様が言ってくれた。
「では、いってくる」
「いってらっしゃいませ」
仕事へ行く旦那様が私の額に口づけを落とす。
それを呆れるように菰野さんが見ているのも、我が家の日常だ。
日々は穏やかに過ぎていく。
……ううん。
夜遅くになり、玄関が開いた音がしてそっと部屋を出た。
「起こしてしまったか?」
帰ってきていた旦那様の顔が申し訳なさそうになる。
「いえ。
本を読んでいたらつい、夜更かししてしまって」
それに気にしなくていいと笑顔で答える。
本を読んでいたのは本当だが、旦那様が心配で眠れなかった。
「補充、なさいますか」



