幾久しくよろしくお願いいたします~鬼神様の嫁取り~

言ったかと思ったら、熱烈に旦那様から接吻をされた。

「きっと神とやらがやつがれたちに嫉妬して、嫌がらせにそんな夢を見せたのだ。
気にする必要はない」

本気でそう考えていそうな旦那様がおかしくて、少しだけ気持ちが楽になった。
そうだ、あれはただの夢だ。
旦那様が私を殺したりするはずがない。
それに私には先読みの異能すらないではないか。

汗を掻いているから風呂に入ってきたらいいと勧められ、お言葉に甘えたものの。

「一緒なんて聞いていませんが」

なぜか旦那様も一緒に、広い露天の端と端に浸かっている。

「せっかくのハニィムーンなんだぞ?
一緒に決まっておろうが」

そういうものなのか、などと納得しかけている時点で、私はかなり旦那様に毒されている。

「なんでそんなに離れているのだ。
もっと近くに入ればよかろう?」

「えっ、あっ、……恥ずかしい、です」

だいたい、男女が一緒のお風呂なんて破廉恥だ。
いや、仮にも夫婦なのだからいいのか?

「そちらが来ないのなら、やつがれから行くが」

「あっ、まって」