そして――。
「ふにゃー」
立て続けにおちょこ三杯あけたところで、私はくたくたと崩れていた。
「ちょ、なにやってるんですか!」
少し怒ったような菰野さんの声が、遠くに聞こえる。
「飲みっぷりがいいから飲ませてみたらこうなっただけだ」
「あー、もー、どうするんですか、これ」
「部屋に連れていって寝かせてくる。
お前たちは勝手にやってろ」
すぐに身体が揺れて、私の大好きな匂いがした。
日向で寝ている猫さんみたいな、旦那様の匂いだ。
それが幸せで身体を擦りよせて目を閉じた。
旦那様に可愛がられ、菰野さんも船津さんたちもとてもいい人で。
実家での暮らしが嘘のように幸せで幸せで、実はずっと夢を見ているんじゃないかと今でもたまに、不安になる。
「夢に決まってるでしょ、なーんにもできない、無能のお姉さまが幸せになれるわけがないじゃない」
突然、電球が切れたかのように真っ暗になり、紫乃の声が響いてくる。
「なに勘違いしてるの?
お姉さまは虫けら同然。
ううん、虫けら以下のくせに」
いや。
やめて。
叫びたいのに声が出ない。
「ほら。
これが現実よ。
しっかり見て」
「ふにゃー」
立て続けにおちょこ三杯あけたところで、私はくたくたと崩れていた。
「ちょ、なにやってるんですか!」
少し怒ったような菰野さんの声が、遠くに聞こえる。
「飲みっぷりがいいから飲ませてみたらこうなっただけだ」
「あー、もー、どうするんですか、これ」
「部屋に連れていって寝かせてくる。
お前たちは勝手にやってろ」
すぐに身体が揺れて、私の大好きな匂いがした。
日向で寝ている猫さんみたいな、旦那様の匂いだ。
それが幸せで身体を擦りよせて目を閉じた。
旦那様に可愛がられ、菰野さんも船津さんたちもとてもいい人で。
実家での暮らしが嘘のように幸せで幸せで、実はずっと夢を見ているんじゃないかと今でもたまに、不安になる。
「夢に決まってるでしょ、なーんにもできない、無能のお姉さまが幸せになれるわけがないじゃない」
突然、電球が切れたかのように真っ暗になり、紫乃の声が響いてくる。
「なに勘違いしてるの?
お姉さまは虫けら同然。
ううん、虫けら以下のくせに」
いや。
やめて。
叫びたいのに声が出ない。
「ほら。
これが現実よ。
しっかり見て」



