意外そうに旦那様が聞いてきて、ぶんぶんと首がもげるほど縦に振っていた。
「白いご飯と温かいお味噌汁でお腹いっぱいになるのが夢だったんです……」
うっとりと思い浮かべている私を四人が憐れむように見ているが、この顔には覚えがある。
旦那様の家に来てはじめの頃、私がなにか言うたびにこういう目で見られた。
「わかった。
白飯と味噌汁も用意させよう」
「え、そんな申し訳ないです!」
「ビフテキが食べたいとか言われても困るが、白飯と味噌汁くらいならすぐ用意できるから遠慮するな」
そう言って旦那様は老婦人に指示を出した。
「本当に涼音さまは可愛らしいですわ」
「そうですわ、そうですわ。
涼音さまは本当に可愛らしいですわ」
「えっと……」
両側から船津さんと田沢さんに抱きしめられ、頭を撫でられて困惑した。
というか完全に年下扱いされているが、私は船津さんより三つほど上だ。
「それでは。
皆、ご苦労だった」
旦那様の挨拶で乾杯し、人喰らい狒々討伐のささやかな祝宴が開かれる。
「菰野さま、どうぞ」
「菰野さま、どうぞ」
両側から菰野さんにお銚子が差し出される。
「白いご飯と温かいお味噌汁でお腹いっぱいになるのが夢だったんです……」
うっとりと思い浮かべている私を四人が憐れむように見ているが、この顔には覚えがある。
旦那様の家に来てはじめの頃、私がなにか言うたびにこういう目で見られた。
「わかった。
白飯と味噌汁も用意させよう」
「え、そんな申し訳ないです!」
「ビフテキが食べたいとか言われても困るが、白飯と味噌汁くらいならすぐ用意できるから遠慮するな」
そう言って旦那様は老婦人に指示を出した。
「本当に涼音さまは可愛らしいですわ」
「そうですわ、そうですわ。
涼音さまは本当に可愛らしいですわ」
「えっと……」
両側から船津さんと田沢さんに抱きしめられ、頭を撫でられて困惑した。
というか完全に年下扱いされているが、私は船津さんより三つほど上だ。
「それでは。
皆、ご苦労だった」
旦那様の挨拶で乾杯し、人喰らい狒々討伐のささやかな祝宴が開かれる。
「菰野さま、どうぞ」
「菰野さま、どうぞ」
両側から菰野さんにお銚子が差し出される。



