しかし私がガタガタ言ったところで、なにかできるわけでもない。
実際、捕まった男は罪を犯しているわけだし、特能の彼のようにまったくの無実でもない。
これはもう、私の気持ちの問題、なのだきっと。
「そういえば綱木中尉は謝罪されたのですか」
それくらいしてくれなければ、この事件はもやもやしたまま私の中では終わってしまいそうだ。
「まさか。
最後までオマエが犯人だ、絶対に尻尾を掴んでやると吠えていたな」
おかしそうに旦那様が笑い、微妙な気持ちになった。
あの人はとことん、性格が悪いみたいだ。
「あ、代わりに公通が謝罪し、今後の生活を保障したそうだ。
異能も軍の役に立つほどでもないからな、今後は平穏に暮らせるだろう」
「そうですか」
それを聞いてようやく、ほっとした。
それから少し経って、私は療養をかねて旦那様と温泉地へハニィムーンとやらに来ていた。
「菰野さま。
一緒にお茶にしませんか?」
「菰野さま。
裏庭の椿が見事なそうなので、一緒に見に行きませんか?」
左右から船津さんと田沢さんが菰野さんの腕を引っ張る。
「離せ!
僕はひとりしかいないんだ!」



