旦那様と人攫い――犯人との対面は、難航した。
「会わせられないってどういうことなんですかね!」
菰野さんが乱暴にエビフライへフォークを突き立てる。
今日は船津さんと田沢さんのお誘いを断り切れず、夕餉をともにしていた。
とはいえ、彼女たちはテーブルをともにするわけではないのでなにが楽しいかと思っていたものの。
「菰野様。
そんなにお怒りにならないで」
「ほら。
ワインのおかわりはいかがですか」
……楽しそうに世話を焼いていた。
菰野さんが綱木中尉に何度も犯人との対面を申し込んでいるが、まったく取りあってくれないらしい。
しかもそのたびにあの鬼は無能だと嫌みを言われ、悔しい思いをしているようだ。
「そう熱くなるな。
竜蔵はやつがれに嫌がらせをしたいのだから仕方ない」
旦那様は苦笑いしているが、もうそれしかできないのだろう。
「でも!
早くしないと綱木中尉に殺されてしまいます!」
菰野さんが悲痛な声で半ば叫ぶ。
「そうだな。
竜蔵はすぐムキになって、周りの意見など聞かぬからな」
そんな菰野さんに対し、旦那様は冷静だ。
「会わせられないってどういうことなんですかね!」
菰野さんが乱暴にエビフライへフォークを突き立てる。
今日は船津さんと田沢さんのお誘いを断り切れず、夕餉をともにしていた。
とはいえ、彼女たちはテーブルをともにするわけではないのでなにが楽しいかと思っていたものの。
「菰野様。
そんなにお怒りにならないで」
「ほら。
ワインのおかわりはいかがですか」
……楽しそうに世話を焼いていた。
菰野さんが綱木中尉に何度も犯人との対面を申し込んでいるが、まったく取りあってくれないらしい。
しかもそのたびにあの鬼は無能だと嫌みを言われ、悔しい思いをしているようだ。
「そう熱くなるな。
竜蔵はやつがれに嫌がらせをしたいのだから仕方ない」
旦那様は苦笑いしているが、もうそれしかできないのだろう。
「でも!
早くしないと綱木中尉に殺されてしまいます!」
菰野さんが悲痛な声で半ば叫ぶ。
「そうだな。
竜蔵はすぐムキになって、周りの意見など聞かぬからな」
そんな菰野さんに対し、旦那様は冷静だ。



