くだらない毎日に退屈していたある日、何か刺激が欲しいと思い、夜中にこっそりと外に出た。黒いローブを来て仮面を付けて。大通りを抜けると廃工場がある。そこで一人、肝試しでもしようかとフラフラ近づくと中から声がした。たくさんの男たちが喧嘩している声だ。気づいた時には、私はその中に混ざっていた。元々、運動神経は良い方だと思っていたが、ここまでとは思っていなかった。たくさんの男を蹴り飛ばし、殴り倒していた。気がつくと私は味方をしていた優勢のヤンキーチームに所属していた。私は自分の身を隠していたため「仮面の使徒」と呼ばれるようになり、メンバーの人と他チームを崩していた。メンバーから戦い方を教わったり、脅し方や話し方も教えられた。いい人達ばかりで私が身元を隠している理由や、元々の話し方など、誰も深く聞いてこなかった。ここが私を受け入れてくれる居場所なのだと思った。そんなある日、この辺を仕切っているグループと喧嘩になった。理由は敵チームの長の彼女が私そんなたちのメンバーの誰かと仲良く話していたと言うどうでもいい理由だった。負傷者がどんどんと増え続け、武器を使う者まで出てきた。泥試合だった。その威力は街の中まで広がり、関係のない人も巻き込んでしまう最悪な戦いになった。私も体力の限界を感じ戦いの最中、休息を取ろうと思い街まで出た。関係のない人々が襲われている。私達のチームがどれだけ本気で守ってもどんどん被害者は増えていく。そんな中、知ってる顔が敵の二番隊の隊長と戦っている姿が見えた。光輝だった。限界を超えている私の体が勝手に動いていた。光輝を守らないと、私の頭にはその言葉しかなかった。それ以外、何も考えられなかった。苦闘の末敵を倒し、気づかれる前に立ち去ろうと思ったその瞬間、私の体は思うように動かなくなり倒れ込んでしまった。
「大丈夫ですか。私のせいですみません、あの、大丈夫ですか。」
光輝が心配しながら私を抱え起こした。
「えっ、軽い。もしかして女性の方ですか。」
声が出なかった。体が動かなかった。
「あの、お名前は。病院に行ったほうが良いので、名前だけ教えていただけると。」
心配してくれている光輝の顔を見る。左頬が赤く少し腫れていた。殴られた所に手を当てる。
「…大丈夫、光…輝。痛いね。ごめんね、もう少し早く来てれば…。」
頭がしっかりと回っていなかったせいか、私は声を出してしまった。いや、光輝の名を読んでしまったのだ。
「え、もしかして清香なのかい。どうしてこんな。しっかりするんだ。すぐに医者に連れていってあげるからな。」
私の意識が薄れゆく中、光輝が驚いたような心配しているような声で話していた。
「大丈夫ですか。私のせいですみません、あの、大丈夫ですか。」
光輝が心配しながら私を抱え起こした。
「えっ、軽い。もしかして女性の方ですか。」
声が出なかった。体が動かなかった。
「あの、お名前は。病院に行ったほうが良いので、名前だけ教えていただけると。」
心配してくれている光輝の顔を見る。左頬が赤く少し腫れていた。殴られた所に手を当てる。
「…大丈夫、光…輝。痛いね。ごめんね、もう少し早く来てれば…。」
頭がしっかりと回っていなかったせいか、私は声を出してしまった。いや、光輝の名を読んでしまったのだ。
「え、もしかして清香なのかい。どうしてこんな。しっかりするんだ。すぐに医者に連れていってあげるからな。」
私の意識が薄れゆく中、光輝が驚いたような心配しているような声で話していた。



