学校の放課後でも夜中の集合場でも練習し続けた。敵が目の前にいると言う想定をして体を動かしたり、一人の時は清香ならどう動くかを考えながら練習したりもした。それでも、吉には勝てるはずもなく、まして一対一なら勝てるはずの元一番隊隊長にすら勝てなかった。何故ここまで清香が共闘にこだわるのか。その理由はたった一つ。私のためだ。私は入ったばかりな上、おまけに清香みたいな常人外の強さなど無い。だから、私を一番隊副隊長を認めない人はいるだろう。でも、清香との共闘が出来れば、二人でワンセットだと周りから認識して貰え、私への不満も少なくなると考えているのだろう。清香は相変わらず分かりやすい。清香が私にくれたチャンスをどうしても逃したく無かった。来る日も来る日も練習した。それでも、勝てる日は来なかった。