終わりの号令の後、まつりはすぐに廊下に出た。
じっとしていられなかった。
階段を駆け上がって、前野進のいる七組の教室へと急いだ。
ドアを開けようとすると、中から先生の声が聞こえた。七組は英語らしい。躊躇なく開けそうになったことにヒヤッとする。
待っている間にだんだんと冷静になってきで、何をどう話せばいいかなんて考えていないことに気がついた。
あれから前野進と何も話していない。
悩んでいるうちに授業が終わりドアから人が出てきた。
「まつり?」
出てきたのは、前野進だった。
急に意識したまつりは、自分の手をどこにやっていいのかさえ分からなくなった。
「進くん」
「話したいことがあって、ちょっといいかな?」
「うん」
「こっち、来て」
まつりはそう言うと、廊下についているバルコニーに出た。


