「ふわぁ……」

 午後になって、日差しの暖かさが出てきて強烈な眠気が襲ってきた。
 眠い。眠すぎる。
 気を抜くと今すぐにでも寝ちゃうくらいの眠気。

 最近全然寝れていなかったからだろうな。寝るのは日をまたいでからで、起きるのも早いから寝れる時間なんて全くない。
 さすがにいけないとはわかっているけど、これくらいでもしなきゃ成績が伸びないのだ。

 ゆったりと進むように感じられるお昼の時間帯。この後雨が降るかな、って思っていたけど、意外にもまだ青空が広がっていていた。
 うっすらと秋らしい雲が浮かんでいてすうっと息を吸い込む。

 お昼は亜紀たちのグループじゃなくて、一人で食べることにしている。
 初めのころは一緒に食べていたけれど、お昼休みには図書館に行きたいし、早めに食べ終わってしまうので結局一人で過ごす時間ができる。向こうは向こうで楽しんでいると思うし、一緒に食べないからって仲間外れみたいなこともされない。

 いつからか分からないけど、ひとり、中校舎の奥にある中庭のベンチに座って食べるのが日課だ。

 中庭は結構人気のスポットだろうと予想して、たくさん人がいると思っていたけど、思ったよりも人が少なかった。
 たぶん、教室で食べる人や屋上で食べる人が一番多いと思う。
 たしかに屋上もいいな、なんて思ったけど、騒がしかったら私の一人の時間の意味がない。