次は、青色のリボンをつけたパンダの子がとっていかれる。手には笹の葉を持っていて、ピンク色に染まったほっぺがすごくかわいかった。

 残ったのは、くまと猫の2匹。

 「さえさえどうするぅ?」

 ちょこん、とポニーテールの髪を揺らして聞かれて、私はあわてて顔の前で手を振った。

 「いやいや、私は後でいいかあら、先に選びなよ」
 「いいのぉ?」

 こういうとき、相手のほしいものを選んじゃった時に絶対に気まずくなるし、そういうことを考えるよりも、絶対に自分を後回しにした方が楽だ。
 自分が我慢すれば、誰も傷つかなくて済む。これが私の中で、自分を守ってきたバリアだった。

 「じゃあ」と言って手に取ったのは、ピンク色のリボンをつけた、ネコの子。
 私はそれを見て、残るくまちゃんをそっと手に取った。
 黄色のリボンをつけた、おとなしそうな子。

 「おソロ、テンション上がるよね。ありがとう~」

 そう言いながら、くまの頭をそっとなでる。
 そういえば、実はくまって臆病なんだっけ。どこかの本で見た気がするな、と思い出しながら、じっとつぶらな瞳を見つめた。

 人の目を気にして、自分の意見が言えない。自分に全部ため込んで、自分を守ってる。
 そういうところ、もしかしたら、くまって私と似ているのかもしれない。
 新しい仲間を見つけた気分になって、カチャリ、とカバンにとりつけた。