午後の、眠気が襲ってくる明るい時間帯。
 先生が何かを黒板に書いているのをぼーっと見つめながら、ふわりとあくびをする。

 チラリと横に目を向けると、頬杖をついて窓を見てる鷹野くんが目に入った。いや、窓を見ているというよりは目をつぶっているという表現の方が正しいのかもしれない。

 やっぱりすっごく整った顔のパーツ。勉強もできて、確かスポーツもできるっけ。
 バスケをやっていたというのは聞いたことあるし、サッカーも上手かった。なんでもできる人。
 羨ましい。そんなに何でもできるなら、困ることなんて、何にもないんじゃないのか。
 いつも私は勉強とか、おしゃれとかに気を使っているっていうのに、そんなのを気にしなくたっていいんだ。

 それに比べて、私は――。

 そこまで考えたところで、先生がパンパン、と手を叩いて黒板を指差した。

 「今日から、班別研修の学習を進めていきます。社会貢献についての活動をしてもらいますが、その内容などを決めてください」

 社会貢献研修。
 この白峰高校では、高校2年になると毎年行われていると聞いたことがある。去年はめんどくさそうだな、と思っていたけれどついにそれをやることになったなんて。

 こういうのは、班員がとても重要だ。友達や頼れる人がいればすごく頼もしいけど、あんまり話したことのない人とか、苦手な人が一緒だと苦労する。