* * * *
車内では、どうやら彼が好きな音楽らしきものが流れていたが、静香は一体なんの曲なのかわからず、思わず首を傾げた。
「あ、あの……来間さんは、こういう音楽が好きなんですか?」
「あぁっ、すみません! 実はヒップホップ系やパンクロックが好きなんです。そういえば、音楽の話はしませんでしたね」
「そうですね……」
あまり聞きなれない曲調に、どうリズムをとっていいかわからなくなり、静香はとりあえず左右に首を振ってみる。
歌詞も意味が全くわからず、腹に響く低音がむず痒かったが、とにかく彼の好きなものを好きになろうと耳を澄ませた。
「音羽さんはどんな曲が好きですか?」
「私ですか? そうですねぇ、やっぱりJポップは聞いていて安心します」
「Jポップですか……最近日本の曲は聴いてないなぁ」
なるほど、洋楽だから歌詞の意味がわからなかったのか──小さな疑問が解消され、静香はすっきりとした気分になる。
「良かったら今度、音羽さんの好きな曲を教えてください。今の流行りがどんなものか気になるので」
「あっ、それならBluetoothで繋げば……」
「あぁ、すみません。この車、Bluetoothで聴けないんです。いろいろ軽量化していまして」
軽量化? Bluetoothが繋がらない? ──言っている意味がわからなかったが、
「そうなんですね」
と言って、その場をやり過ごす。
「あの、今日はこれからどちらへ……」
「僕がいつも行っているサーキットをご紹介したくて。きっと面白いと思いますよ」
「サーキット……うわぁ、楽しみ!」
ただのドライブじゃないんだ……しかもサーキット? そこで何をするの? ──再び気落ちしそいになるが、頭を横に振り、気を取り直す。
まだ始まったばかり。きっと楽しいに決まってると自分に言い聞かせた。
車内では、どうやら彼が好きな音楽らしきものが流れていたが、静香は一体なんの曲なのかわからず、思わず首を傾げた。
「あ、あの……来間さんは、こういう音楽が好きなんですか?」
「あぁっ、すみません! 実はヒップホップ系やパンクロックが好きなんです。そういえば、音楽の話はしませんでしたね」
「そうですね……」
あまり聞きなれない曲調に、どうリズムをとっていいかわからなくなり、静香はとりあえず左右に首を振ってみる。
歌詞も意味が全くわからず、腹に響く低音がむず痒かったが、とにかく彼の好きなものを好きになろうと耳を澄ませた。
「音羽さんはどんな曲が好きですか?」
「私ですか? そうですねぇ、やっぱりJポップは聞いていて安心します」
「Jポップですか……最近日本の曲は聴いてないなぁ」
なるほど、洋楽だから歌詞の意味がわからなかったのか──小さな疑問が解消され、静香はすっきりとした気分になる。
「良かったら今度、音羽さんの好きな曲を教えてください。今の流行りがどんなものか気になるので」
「あっ、それならBluetoothで繋げば……」
「あぁ、すみません。この車、Bluetoothで聴けないんです。いろいろ軽量化していまして」
軽量化? Bluetoothが繋がらない? ──言っている意味がわからなかったが、
「そうなんですね」
と言って、その場をやり過ごす。
「あの、今日はこれからどちらへ……」
「僕がいつも行っているサーキットをご紹介したくて。きっと面白いと思いますよ」
「サーキット……うわぁ、楽しみ!」
ただのドライブじゃないんだ……しかもサーキット? そこで何をするの? ──再び気落ちしそいになるが、頭を横に振り、気を取り直す。
まだ始まったばかり。きっと楽しいに決まってると自分に言い聞かせた。



